「控えめなお姉さん役に徹しています。“お局さま”なんていわれるの嫌じゃないですか」

●金沢文子さん

　人気ＡＶ嬢は星の数ほどいた。しかし、本当に記憶に残るＡＶ嬢はホンのひと握りであり、ましてや１００本以上の作品に出演した実力派はさらに限定される。きょう登場の金沢文子さんは、そんなＡＶクイーンのひとり。“かなぶん”の愛称で大人気だった彼女、今どうしているのか。

「お待たせしました〜。急に馴染みのお客さまがお見えになって。ごめんなさいね」

　六本木のキャバクラ「レッドドラゴン」で会った金沢嬢、こういってペコリと頭を下げた。白をベースに胸元に黒のバラをあしらったシルキーなドレス。アラサーの３１歳にふさわしい落ち着きと華やかさが漂う。

「スリーサイズ？　８３・６１・８５のＣカップです。ちょっぴりウエストが増えちゃいましたが、サイズは現役時代とほとんど変わりません。ボディーラインに少し丸みが出てきたからか、“妖艶になったね”なんて言われるようになりました」

　同店はロアビルそばにあった「リリス」がルーツ。６月３日に移転してリニューアルオープンした。彼女は「リリス」が開店した２月にキャバ嬢デビューした。

「料金はハウスボトル飲み放題のセット料金がビジターさんは６０分１万２０００円で、テーブルチャージ２５００円、指名料が４０００円、それに別途、税・サービスが３０％。高級クラブとキャバクラの中間くらいの設定でしょうか。ワタシの出勤は火曜と金曜日の週２日。それに合わせて出張されてくる地方のサラリーマンの方もいらっしゃるんですよ」

　在籍する約８０人は、元ＡＶ嬢かデビュー直前のＡＶ嬢の卵ばかりだ。

「平均年齢はハタチぐらいかな。ワタシは控えめなお姉さん役に徹してます。“お局（つぼね）さま”なんて言われるの嫌じゃないですか、フフフ」

　さて、彼女は９６年からグラビアモデルで活躍し、翌年、１８歳になるや「１８才〜Ｓｗｅｅｔ　Ｅｉｇｈｔｅｅｎ」（宇宙企画）でＡＶデビュー。清純派アイドルに勝るとも劣らないキュートな笑顔でたちまち売れっ子になった。

「現場への移動時間が睡眠時間なんてくらい忙しい時期もありました。食事はほとんど外食。でも、ＡＶの撮影で何時間も腰を振ってたから、ウエストはキュッと締まってましたね、フフフ」

●「５年後に熟女ＡＶ？ハハハ、それはないですね。その頃までには結婚したいですもん。」

　０１年にはストリップに進出。その一方でファンの要望に応えて断続的にＡＶを発売し、去年３月、「兄嫁中出し相姦」が引退作品になった。

「５年後に熟女ＡＶ？ハハハ、それはないですね。その頃までには結婚したいですもん。ワタシのすべてを理解してくれる男性、どこかにいないかしら」

　一時、官能小説を書き、イメージ動画をミックスしたネットサイトを始めるという話があった。

「残念ながら、立ち消えになっちゃいました。ネット関係では『ＳＥＸＵＳ』ってオークションサイトにワタシのドレスやランジェリーを出品してます」

　都内のマンションに一人暮らしだ。

（日刊ゲンダイ2010年10月13日掲載）