ソフトさの中に大胆さ、習近平氏の気質と政治傾向(上)
2012年から10年間にわたり、中国を率いる習近平国家副主席(57)は、現在の胡錦濤国家主席よりも江沢民前国家主席に似た点が多い。太子党(高級幹部の子弟)出身で、ソフトな性格、重厚な声、大柄な体格まで共通している。彼の個人的な性向、経験、背景などを通じ、習近平時代の政策方向を探る。
■勤勉さと謙遜→集団指導体制の強化
習氏はソフトな性格だという評をよく耳にする。2002年に浙江省党委書記に就任した際、現地マスコミとのインタビューに対し、自分が最も得意とすることは「貧しい人々を訪ね、悩みを尋ねることだ」と語った。浙江省に赴任後、わずか9カ月で省内の90ある県、市、区のうち69カ所を走破し、記者を驚かせた。
中国メディアが習氏について伝える際、「平易」「謙遜(けんそん)」という単語を頻繁に用いる。副首相を歴任した父親の習仲勲氏(1913-92)のおかげで、元老グループの強い支持を受けながらも、控えめな姿勢を貫いている。共産党の次期指導部(政治局常務委員ら)は、習氏の意見を尊重し、無難な決定を下す可能性が高い。既に安定期に入った中国の集団指導体制は、習近平時代にさらに深い根付くものとみられる。
■庶民重視→社会・民生改革
父親が文化大革命の際に粛清されたにもかかわらず、副首相として復活を果たし、習氏の人生も幼少期こそ苦労したが、成人してからは順調だった。「太子党出身でありながら、太子党のにおいがしない」「庶民的だ」などという評が聞かれるのは、苦労した幼少期と父親の厳しい薫陶によるものだろう。
習氏は父親が粛清された際、共産主義青年団(共青団)と共産党に加入するため、それぞれ8回、10回も願書を出さなければならなかった。家計がさほど苦しくなかった時期でも質素な生活を送った。父親に連れられ、人民大会堂を訪れた際、着衣があまりにもみすぼらしかったため、職員が「こんな時代遅れの服を着ているのはどこの家の子供だ」と言ったほどだ。習氏は「幼いころから父に節約を教え込まれ、4人兄弟は皆お下がりの服を着ていた」と振り返った。
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