【コラム】われわれが次世代に伝えるもの
韓国の建設会社は、済州道に建設したコンドミニアムを分譲するため、チャーター便で中国の富裕層を済州道に招待している。中国の富裕層は、ゴルフを楽しみ、カジノに立ち寄り、コンドミニアムを購入する。
SKグループは最近、済州道のフィンクスゴルフ場やフォードホテル、コンドミニアムを買収し、外国人観光客を対象にした健康診断と保養を兼ねたサービスを準備している。マーケティング対象は、主に中国の富裕層だ。アシアナ航空は、中国人観光客の便宜を図るため、金浦空港を経由せず、仁川空港から直接済州道に向かう中国人専用路線を運航している。
英紙フィナンシャル・タイムズによると、中国の富裕層は50万人に達し、そのうち30人が10億ドル(約840億円)以上の資産を保有しているという。一方、中産層は5000万人に達する。中国の富裕層は、健康に良いものには金を惜しまないという。そのため中国は現在、急速に市場が拡大している。
故・朴正熙(パク・チョンヒ)大統領は、海外からの流入資金を国の基幹産業や重化学工業に集中的に投資し、産業化の礎を築いた。鉄鋼、造船、自動車、石油化学は、父の世代が築いた功績だ。その後、電子・電気工学やコンピューター工学科を卒業した先輩世代は、IT(情報技術)という新たな雇用を創出した。現在、韓国経済をリードしている半導体や携帯電話、液晶ディスプレー(LCD)、パソコンがそれに当たる。
では、われわれの世代が次世代に伝えるものは何だろうか。そのうちの一つとして、バイオ大国の土台が挙げられる。バイオ大国になるためにはまず、よい医療サービスが重要だ。医療サービスで獲得した外貨で、がんや高血圧、糖尿病、ヘルニアを治療するための画期的な新薬、新たな技術を開発しなければならない。韓国のバイオ産業が発展すれば、世界中の人たちが韓国を訪れ、われわれが開発した新薬を高値で購入していくだろう。
タイは昨年、海外から患者154万人を誘致した。タイは医療市場を開放し、営利医療法人を認め、医療サービス産業の競争力を向上させている。一方、韓国を訪れた外国人患者は2万5000人にすぎない。われわれは、高い水準を誇る医療人材と施設を有しているが、他国に顧客を奪われている。医療営利法人の問題はここ数年間、まったく進展していない。
最近では、ある旅行会社が「名医と旅する健康クルーズ」というパッケージツアーを発売し、大人気を集めている。分野別に医大教授3人を招待し、旅行中に診療を受けながら、自身に合った適切な処方が得られるという内容だ。毎回、ツアー参加者の定員がいっぱいになるため、予約待ちの状態だ。それだけ健康医療サービスに対する需要が高いということだ。
韓国の人材のうち、相当数が医大や韓方(韓国式の漢方)医大に集中している。環境さえ整えば、バイオ大国の未来は明るいと信じている。
金泳秀(キム・ヨンス)産業部長