韓国米が日本米より味が落ちるワケ(下)

■質のよくないコメを交ぜ、高級米としてラベル張り替え

 コメが交ざるのも問題だ。質のよいコメとそうでないコメが交ぜられ、一つの商品として販売されるという。ホプムならばホプム、サムグァンならサムグァンの1種類だけを袋詰めし、100%単一品種として商品化するのは難しいという話だ。仮に同じ品種でも、質のよいコメとそうでないコメが交ざってしまう。

 栽培段階から農家が品種を交ぜるケースのほか、米穀総合処理場で交ざってしまうケースも多い。国立食糧科学院のキム・ヨンギュ稲作課長は、「米穀総合処理場には、乾燥していない状態の稲が3000トン集まる場合もあり、その地域で生産されたさまざまな品種の稲が一つの貯蔵庫に集まると、品種を区別するのが難しくなる」と話した。品種別に精米も別々に、保管も別々にしようとすると費用がかさむため、交ざってしまうという。

 流通過程で故意に交ぜるケースも多い。江原道・襄陽で、オデ米を作っている農家の跡継ぎキム・ドンウクさんは、「農家の間で、『工場に行って着替える(ラベルを張り替える)』という言葉が公然と広まっている」と話した。4年前の政府米を新米に交ぜた商品が、非常な低価格で市場に出回っているという。「20キロ当たり2万ウォン(約1460円)台のコメがどれほどのものなのか、想像がつくだろう? ご飯を1杯出すのに300ウォン(約22円)しか掛からないのだから、食堂では当然、このようなコメを使っているのではないか」。安い地域のコメを精米過程で交ぜた後、包装の袋に原産地として「京畿地域」と表記する「偽京畿米」が毎年市中で発覚するのも、このような理由からだ。

 専門家らは、韓国米の高品質化成功のためには、消費者も認識を変えるべきだという。ブランド名や価格を見る前に、袋に書かれているコメの品種や精米日を見るべきで、品種欄に単一品種の名前が書かれていれば、純度が80%以上という意味、一般や混合、あるいは空欄になっている場合は、幾つかの品種が交ざっているという意味だ。政府が公認した最高級ブランドの「トップライス」は純度90%以上だ。農林水産食品部は2011年から品質等級制を実施し、品種だけでなく、タンパク質含有量まで提示する政策を施行する方針だ。キム・ヨンギュ課長は、「よい品種を好む消費傾向が作られれば、農家も品質改善に乗り出すしかない。そのように勝負していけば、決して日本米の味に引けを取ることはない」と話した。

尹柱憲(ユン・ジュホン)記者

韓慶珍(ハン・キョンジン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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