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中日サヨナラ劇勝!落合監督“予定外”の胴上げ

<中・巨>優勝記念のプレートにキスをする落合監督
<中・巨>優勝記念のプレートにキスをする落合監督
Photo By スポニチ

 【中日4―3巨人】劇的な結末が待っていた。セ・リーグCSファイナルステージは23日、ナゴヤドームで第4戦が行われ、リーグ覇者・中日は9回1死一、二塁から和田一浩外野手(37)の適時打で巨人にサヨナラ勝ち。3年ぶり9度目の日本シリーズ進出を決めた。落合博満監督(56)はリーグ優勝に続き、2度目の胴上げ。自らが鍛え上げたナインの手で6度宙を舞った。パのCSを制したロッテとの74年以来、36年ぶりの激突。西村徳文監督(50)との元ロッテ盟友対決となる日本シリーズは、30日にナゴヤドームで開幕する。 【試合結果  日本シリーズ日程&結果

 ブーちゃんこと中田亮が歓喜のホームへ還ってくる。それが合図となった。予定になかった儀式が始まる。「監督、こっちへ」。選手に招かれた落合監督がマウンド付近へ。「やらないよ」と宣言していた胴上げで、6度も宙に舞った。

 「オレはやらないつもりだったんだ。でも、いいんじゃないの?選手がやってくれると言うんだから」。圧倒的な力の差を見せたCSファイナルS。最後は巨人の抵抗にあいながら07年以来の舞台を決めた。「最後までこういうゲームか。今年を象徴してる。らしくていいじゃないか」

 そう振り返った2010年。冷徹に見えて情に厚い落合監督が、心を鬼にした1年だった。記録やタイトル獲得をできる限りサポートし、選手の個人攻撃はせず、ベテランのプライドを尊重してきた指揮官が監督就任以来最も激しく動き、選手を動かしてきた。

 勝率5割前後を行き来していた8月初旬。珍しく自ちょう気味に笑ってこう話した。「今の選手は指示待ち人間が多すぎるな。使うヤツがいないよ。そのうち誰もいなくなるんじゃねえか」。今季は選手の自主性を重んじたが、その限界が見えるや、これまでにないほど選手を叱(しか)り非情な采配を振った。

 象徴的だったのがブランコの4番外しだ。現役時代、最強の4番打者だった経験から「打順は4番から決める」のがオレ流。それが、昨季は不振でも動かさなかった主砲を6月10日の楽天戦(Kスタ宮城)から5番に降格させた。オレ流の聖域にも手をつけて和田と森野を併用。このCSも第2戦で守護神・岩瀬を使わず、この日は山本昌を勝利投手の権利目前で代えた。形にこだわらず勝負に徹し、温情もしがらみも排除した。

 リーグ最終戦後には1軍28人全員の出場登録を抹消。CS直前にケガ人が出た時に備えると同時に、最終調整を行った宮崎フェニックス・リーグに自ら乗り込み、白紙の状態で選手たちを競わせた。中堅と右翼が流動的な外野で藤井、英智らが争う一方、名内野手・井端を中堅でテストして危機感をあおった。実戦の打ち上げは15日。その5日後にCS初戦を迎える日程は、今季開幕直前とまったく同じだった。17日間のブランクをものともせず、藤井と英智が機能して波に乗った。

 「17日間でうまく調整できた。自分の庭で負けるわけにはいかなかったから。振り返れば、すべては初戦。スッと入って行けた。あの初回の4点がすべてだったな」

 あらゆることを計算し尽くし、決断し、勝負に徹して選手を動かした結果だった。日本シリーズの相手は、現役時代に3度の3冠王に輝いたロッテ。率いる西村監督とは5年間同じユニホームで戦った。胴上げを終えた落合監督はこう言った。「もう1回やらないといかんな。そしたら本当の56年ぶりの日本一だ」。07年の頂点はシーズン2位から。今年はセ・リーグを逆転で制し、CSも勝ち抜いた。あとはその先にある「真の日本一」をつかみ取るだけだ。

 ≪“元同僚対決”はON以来9組目≫中日が07年以来3年ぶり9度目の日本シリーズ出場を決めた。落合監督にとっては4度目のシリーズ出場となるが、前回の07年に初の日本一。中日の日本一は他に54年(天知監督)しかなく、2度目のシリーズ制覇を果たせばチーム初快挙になる。

 日本シリーズの対戦相手はロッテ。両者の顔合わせは74年以来2度目だが、前回はロッテが4勝2敗で勝っており、中日は雪辱なるか。また、落合監督とロッテの西村監督は82〜86年の5年間、ともにロッテでプレー。現役時代に同僚だった監督同士のシリーズ対戦は、00年の長嶋(巨)、王(ダ)両監督の対決以来10年ぶり9組目だ。

 ▼巨人・加藤良三コミッショナー 落合監督の采配が見事だし、投手力が安定していた。間隔が空いたが、試合感覚を失わないように非常によく(監督が)考えられた結果。

Yahoo!ブックマークに登録 [ 2010年10月24日 ]

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