加来博洋さん、アマ初Ｖ逃す…将棋新人王戦

　将棋の第４１期新人王戦決勝３番勝負の第３局が２２日、東京・渋谷区の将棋会館で行われ、アマとして史上初めてプロ棋戦の決勝に進出した東京都国立市の会社員・加来博洋（かく・はくよう）アマ（３０）は阿部健治郎四段（２１）に９１手で敗れ、通算成績１勝２敗で快挙達成はならなかった。

　この日が３０回目の誕生日だった加来さんは、「力が足りなかったです…」と肩を落とした。後手で挑んだ最終決戦。序盤から定跡を外して力戦を誘う得意の展開に持ち込んだ。今年度の勝率が８割を超える阿部四段も「こんなにプレッシャーのかかる将棋は、もうないかもしれないです」と硬い表情だったが、最後は巧みな寄せでプロの意地をみせた。

　加来さんはプロ棋士養成機関「奨励会」で三段まで上がったが、０８年に年齢制限のため退会を余儀なくされた。ただ、今後もプロを破るなどの活躍が続けば、０５年に瀬川晶司四段（４０）が合格したプロ編入試験を受ける道も開けてくる。今はシステムエンジニアとして働く加来さんは、「やはり意識としては常にあります」。今後もプロを目指し挑戦を続けていくつもりだ。

（2010年10月23日06時02分  スポーツ報知）

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