政府紙幣を考えるブログ

政府紙幣をメインにはじめたのですが、歴史を追ってマネーの迷宮に迷い込んでしまった。
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政府紙幣の歴史(米国)

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リンカーンと政府紙幣(グリーンバック紙幣) その1

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リンカーンと聞くと
奴隷解放宣言とか、あの超有名なゲティスバーグの演説「人民から人民による人民のための統治(government of the people, by the people, for the people)を思い浮かべる人が多いだろう。このグリーンバックにまつわるエピソードについて語られることはこれまであまりなかった。

グリーンバック紙幣は「緑背紙幣(りょくはいしへい)」とも呼ばれ、現在のドル紙幣を指す時も使われる用語だ。ただ、このグリーンバック紙幣というのは政府紙幣の議論をする時には必ずと言っていいほど、“インフレーションを引き起こした”としてやり玉に挙げられてしまう。そう、歴史上を見てもグリーンバック紙幣というのはすこぶる評判が悪い。

でも、そのグリーンバック紙幣に対する今の時代の評価というのは所詮作られた評価でしかない。当時のアメリカ経済や歴史背景をしっかいと抑えておく必要がありそうだ。ロスチャイルド関連で書かれているイギリス金融資本家とアメリカ政府の戦争ともいってよい闘争の歴史は、陰謀説の類でもなく、事実として存在してたいた。当時業界の人間であれば『誰でもよく知っていた』のである。さもなければ2度も中央銀行が潰されたり、マネートラストに関する公聴会なども開かれていなかっただろう。

それに、20年後にグリーンバック党が結成されたように、政府紙幣には根強い人気もあったようだ。さらには第16代アメリカ合衆国大統領であるエイブラハム・リンカーン(1809年 - 1865年)の他にもう一人アメリカの大統領で政府紙幣を発行した人物がいる。あまり知られていないが第35代大統領のジョン・F・ケネディ(1917−1963)だ。どちらの大統領も政府紙幣を発行し、その後、暗殺されている。

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それ以前にはアメリカ独立戦争時に発行された『大陸紙幣』がある。実は、アメリカにおける政府紙幣の議論というのは別な角度から政府紙幣議論の奥の深さを教えてくれる。考えても見れば、政府紙幣に対する議論というのはおかしな話だ。その通貨という特性においても、論理性においても、これだけの公共性のある財にもかかわらず、なぜ、人々は『政府の発行する紙幣』となると途端に拒否反応を示すのだろうか。自国の通貨を運営する人間が、民主主義的な方法によって選ばれてもいないにもかかわらず、何故そこまで無条件に彼らの政策決定能力を信用しているのだろうか?金融政策を決定するその数少ない人間が、果たしてどこまで公共の利益を重視しているのか疑問に思ったことはないのだろうか。

企業の行動原理は利潤最大化である。そして、合理的に行動する個人(政治家、会社員、近所のおばさん)も、自己の利益を最大化するように行動すると考えられる(まぁ、自己犠牲的な精神もあるだろうが、それは自己の利益の考え方だろう)。いずれにしても、中央銀行の独立性を維持することがどれほど物価安定に寄与してきたか、実証されるには、まだ年月と経験が浅いと言えるのではないだろうか。

さて、このグリーンバック紙幣というのはリンカーンがアメリカ南北戦争の時に、北部政府が戦費をまかなうために発行し、1862年に発行が開始され1879年まで続けられた。リンカーンが戦費調達の相談をしにニューヨークの資本家を訪ねたところ25%の金利をふっかけられたという逸話もあるが、当時アメリカはフリーバンキング(自由銀行法)によって数多く銀行が誕生し(そして消え・・)ていたので、何も戦費調達するにあたりロスチャイルド系のニューヨークの資本家である必要はそれほど急務ではないのでは。。。と思いたくもなる。

Wikipediaの記事によると、南北戦争が勃発した当初、アメリカで最初の投資銀行をつくったジェイ・クックという資本家がリンカーン・サイドに近づいたそうだ。
「彼は政権の財務長官サーモン・チェイスとともに北部の主要銀行からの融資を確保したという。当時、20年満期ながら期限前(最低5年)に償還する権利を持つ「ファイブ・トゥエンティー・ボンド」と呼ばれる中期国債が1862年2月25日に議会で承認されて発行されたが、財務省はこの国債の販売に失敗していた。そこで、クックの会社(ジェイ・クック商会)はチェイスに5,000万ドルの国債の販売を契約し、成功した(5億ドルだったとも言われている)。
クックはアメリカのメディアへの影響力を使いながら2,500の代理店と契約し、すぐに1,100万ドル以上の国債を売りさばいた。これは議会が承認した額を超えていたが、議会はすぐに事後承認した。

同時に、クックはナショナル・バンク制度(National Banking Act)の設立にも影響を及ぼし、議会が承認するとすぐにワシントンとフィラデルフィアに設立した。」。

このナショナルバンク(国法銀行制度)というのは、ニューヨーク州のフリーバンキング制度をモデルとされているそうだが、ん〜 どうも腑に落ちない点がある。これが出来たことによって、国債の引き受け先が出来、引き受けたところはそれを裏づけとした紙幣を発行できるというものだ…。これは、グリーンバック紙幣を普及させるとともに、乱立していた州法銀行による裏づけのない紙幣を駆逐するのに大変役立ったという。

一見上手く言っているようだけど

実はニューヨーク資本家の思い通りに事はすすんでいるような気もする・・・


つづく

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>中央銀行の独立性を維持することがどれほど物価安定に寄与してきたか、実証されるには、まだ年月と経験が浅いと言えるのではないだろうか。

確かに,中央銀行の独立性は,通貨を安定させる「手段」であって,それ自体が「目的」ではないともいえます。財政当局との連携が必要な場合もあるでしょう。
ただ,金融政策が,民主主義原理とは,別の原理で動いているという考え方も可能だと思いました。裁判所なども,直接の選挙で選ばれない裁判官が運営している国家が多いです(アメリカでは,裁判官を選挙で選ぶ州もあるようですが……)。
中央銀行は,裁判所ほどの歴史はありませんが,政争から距離を置きたいという側面もあると思います。また,統治の方法において,民主主義(多数決原理)が,絶対ではないという分野もあると思います。
中央銀行の独立性を重視するのがいいのか,協調性を重視するのがいいのか,なかなか難しい問題ですね。

2009/4/10(金) 午後 11:36 [ おじゃま ]

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>おじゃまさん
コメントありがとうございます。
金融政策と民主主義の原理についてはその通りだと思います(^-^)。ECBがスタートした時、独立性とともに総裁『任期』に関してもいろいろと議論がありました。8年という任期はすごい長いですからね。実際度の程度独立性が維持されているのか異論反論あるとは思います。

個人的には独立性を維持することは正しい選択だと思います。
ただ、なぜ中央銀行が庶民にとって正しい政策をしてくれるのか?
その理由に関して、意思決定される方の能力、良識とモラルを信じる以外にないというのは、民主主義の世の中にあってあまりにも虚しい気もします。

2009/4/13(月) 午後 1:27 [ 9回裏二死満塁 ]

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中央銀行と財政当局。「好況時には独立。不況時には協調」という制度ができないですかね。無理でしょうね……

2009/4/13(月) 午後 10:15 [ おじゃま ]

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ハハハ、まぁ、制度は無くても現実的には協調はしてると思いますよ(^-^)。昔に比べて世論が監視しやすくなりましたからね。まぁ、マスコミのレベルはかなり下がりましたが・・・。議事録の公開など、意思決定プロセスの透明化も少しずつ進んでいるようです。

表向きは・・・

2009/4/14(火) 午後 7:41 [ 9回裏二死満塁 ]

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