東京都杉並区教育委員会は23日、区立浜田山小学校の女性教諭(23)が、3年生の算数の授業中に、正解が「人を殺す」というクイズを出していたと発表した。同校は「不適切な内容だった」として同日、保護者会を開き謝罪。区教委は今後、校長と教諭を厳重注意するとしている。
同校によると、女性教諭は19日の算数の授業で時間が5分余ったため、「3人姉妹の長女が自殺した。長女の葬式に来たかっこいい男の人に、次女はもう一度会いたいと思った。どうすればいいか」とクイズを出した。
児童が「電話をかける」と答えたが、教諭は「男の人に会えたのは葬式だよ」とヒントを出し、児童が「妹を殺しちゃうの」と聞くと、「それが正解」と話したという。児童からは「こんな問題出していいの」と戸惑いの声が上がったという。
クイズの内容を問題視する保護者からとみられる匿名の投書が21日に同小に届き、発覚した。教諭は今春大学を卒業し、同校に赴任、3年生の担任だった。授業は2クラスの児童を3グループに分け、女性教諭がこのうち1グループ21人を受け持っていた。21人の中に、担任をしている児童も含まれていた。
同校の調査に「授業が淡々と進んでいて子どもには楽しくないのではと思い、ブラックジョークの話題になった。学生時代に友人から聞いた質問を出した。軽率だった」と話したという。岩崎義宣校長(53)は「命や死の厳粛さに対する子どもの価値観を揺るがす軽率な行為だった」と話した。【堀智行】
毎日新聞 2010年10月23日 22時27分(最終更新 10月24日 0時52分)