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弘文堂は1897(明治30)年、京都で産声を上げました。今年(2010年)で創業113年を数えます。
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1917(大正6)年刊行の河上肇 『貧乏物語』がベストセラーとなったのを皮切りに、西哲叢書・教養文庫・世界文庫などの好企画によって関西を代表する学術出版社としての地位を揺るぎないものにしました。
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拠点を東京に移した戦後、アテネ文庫・アテネ新書は時代を象徴する名企画として今も識者に復刻を望む声が少なくありません。また、鈴木竹雄『会社法』、田中二郎『行政法』など法律学講座双書のラインナップは、法律書出版そのものの水準を高めるものとして、現在に続く定評を獲得しました。
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昭和40年代以降、精神医学・文化人類学といった当時新たに注目され始めた領域にもウィングを広げることとなりました。その中で刊行された『「甘え」の構造』は、精神分析の視点から書かれた優れた日本人論・日本文化論として各界の絶賛を博し、今も名著の名をほしいままにしています。
こうした出版活動を基盤にして『精神医学事典』『文化人類学事典』『社会学事典』をはじめとする弘文堂の事典シリーズの刊行が定着しました。それぞれの領域の最高水準を反映するこのシリーズは、読書界の定番として各方面から歓迎され続けています。
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一方で最近は、伊藤真の試験対策講座、新谷弘実『胃腸は語る』、大塚俊男ほか編『こころの健康百科』、綾部恒雄監修『世界民族事典』、猪口孝ほか編『政治学事典』、木村喜助『田中角栄の真実』など、時代のニーズ、世の動向に即応する企画を続々登場させ、新しい読者層の開拓にも余念がありません。
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21世紀を迎え、良質の文化に多角的にアクセスし、柔軟な発信体となること、それが我が社のモットーです。 |