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妻殺害、介護5年の夫に何が 近所に驚き広がる 石井

2010年10月3日

 田畑と住宅が混在する徳島市近郊の石井町高川原。その一軒家に住む武知泰子さん(57)が同居する夫の秀明容疑者(57)に殺されたとみられる事件は、夫が殺害したと供述したとされる日時から1日余り経過した2日午前、訪れたヘルパーによって発覚した。近所の人たちには驚きやショックが広がった。県警によると、秀明容疑者は遺体を隠そうとするそぶりはなかったが、動揺がみられるという。

 泰子さんが5年ほど前に倒れるまでは、近所の人には仲のよい夫婦と映っていた。「2人が自分の田畑で、仲良く野菜を作っていたのをよく見かけた」という人もいる。だが、倒れてからは、「やっちゃん」「やっちゃん」といいながら秀明容疑者が泰子さんを病院へ送り迎えする姿が見られる一方で、家の中から2人が言い合う声を聞いた人もいた。

 介護が始まると秀明容疑者はやせ始め「近所の人が『ちゃんとご飯食べてるの』と心配して声をかけるほどだった」という。ヘルパーは週3回訪問していた。秀明容疑者は午前中、運送会社の仕分けの仕事に就いており、午後は介護に当てていたようだ。

 秀明容疑者の印象は「おとなしく、まじめな人」と近所の人は声をそろえる。2人の間には子どもはいなかった。

 1週間ほど前、病院で2人に会った男性は秀明容疑者に声をかけたとき、「妻の病気は良くも悪くもならない。まあまあや」と疲れた表情で、車いすの泰子さんを押していた。

 近くに住む秀明容疑者の幼なじみの女性は「いつまでも病院にいられないし、自分で介護をすると家に連れて帰ったと聞いている。それなのにこんなことがあるなんて、信じられない」と嘆いていた。

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