東シナ海のガス田問題への対応をめぐり、中国が日本側に海洋調査の実施を通報していたことがわかった。外務省や経済産業省は中国による単独掘削の疑念を払拭(ふっしょく)できないとして、探査船などを現場海域に派遣し、実態解明を急ぐべきだという意見もある。首相官邸は「これ以上、中国側を刺激したくない」との判断から静観の構えを見せている。
■周辺海域が変色
「あれは何だ」。海上自衛隊の哨戒機P3Cは9月12日、東シナ海のガス田「白樺」で海面の異常に気づき、掘削用のドリルらしき機材を発見した。その後、2週間強の間に2回、周辺海域でクリーム色の変色も確認した。
防衛省などによると、中国側がすでに掘削をしている可能性は高いという。政府関係者は「掘削作業を通じて、生コンクリートや土砂が海面に浮上した可能性がある」と分析する。
日中両政府は2008年6月、東シナ海のガス田のうち、日本が主張する排他的経済水域(EEZ)の境界線「日中中間線」をまたぐ北部地域の共同開発で合意した。今回、中国側は中間線にまたがる地域での海洋調査を通報してきたが、中国が単独での掘削に踏み切れば、明らかな合意違反となる。
■外務省などいらだち
日本は対抗措置として、国際海洋法裁判所への提訴や探査船による探査活動を実施することが可能だ。外務省も「掘削の事実が裏付けられれば、しかるべき措置をとる」(幹部)と話しており、中国側に事実確認している。しかし、中国側の返答は「我々の海だ。強いて言えば単なる修理」とにべもない。こうした対応に外務、経産両省はいらだつが、官邸の腰は重い。
「官邸からゴーサインが出ないから探査船は出せない」。経産省の幹部はあきらめ顔だ。仙谷由人官房長官も22日の記者会見で「毎日のように上からちゃんと見ている」と述べ、ガス田に動きはないと沈静化に躍起。「現時点では変調があるという報告は来ていない」とも繰り返す。
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