北京(CNN) 多数の犠牲者を出したスーダンのダルフール紛争で、中国製の弾薬が使われているとの国連安保理報告案がまとまった。これに対して中国は21日、「事実無根」と反論し、安保理での採決前に見直しを求めた。
安保理の西側関係者はCNNに対し、もし中国が報告書の公表を阻止すれば、「危険な前例」になるとの見方を示した。
ダルフールに対しては2004年に武器禁輸措置が取られているが、中国はこれに違反した事実はないと主張。外務省の馬朝旭報道局長は「中国は安保理のスーダン制裁決議に一貫して従ってきた。このような未確認の報告に基づき事実無根の告発を行うのは不適切だ」と批判した。
報告案を見た別の国連関係者によると、スーダンの部隊がダルフールの反政府勢力に対し、過去2年にわたって中国の弾薬10種類以上を使っている証拠があるという。20日のスーダン制裁委員会では、国連のダルフール平和維持部隊が攻撃された地点から、最近製造された中国製の弾薬の薬きょうが回収されたとの報告があったという。
国連によると、ダルフール紛争ではスーダン政府と政府が支援する民兵組織ジャンジャウィード、反政府勢力の衝突で、2003年以来30万人が死亡し、250万人以上の避難民や難民が発生した。
中国はスーダンへの小火器販売の90%を占めており、人権団体によれば、ジャンジャウィードがこれを利用しているという。