◇クライマックスシリーズ セ・ファイナルS<第2戦>
◆中日2−0巨人
9つのゼロがむなしく並ぶ。竜投から1点も奪えないまま、わずか2戦で巨人が絶壁に追い込まれた。2戦連続の完封負け。ポストシーズンゲームでは1955年の日本シリーズの南海第2、第3戦以来、球団55年ぶりの屈辱も重なった。
「点取りゲームだからね、ベースボールは。そういう意味ではいけませんね!」。胸の中に押し込んだはずの怒りが込み上げる。ストレスが充満した原監督の口からは、「完封(負け)は全員で反省せなイカンところやね」と珍しく関西弁まで飛び出した。
レギュラーシーズンから続くナゴヤドームでの連敗は11に伸びた。その間の得点が12点では当然の帰結。この日も同じだった。第1戦に続いて欠場した坂本の代役で1番に入った脇谷は1回、3回、8回と先頭打者で安打。しかし、続く亀井、小笠原、ラミレスがいずれの場面でも工夫なく凡退した。「なかなか(打線の)つなぎができなかった」と指揮官。敗因は明らかだった。
阿部も含めた3〜5番は2戦で24打数2安打。中軸3人はレギュラーシーズンでもナゴヤドームで合計10打点しかマークしていない。「名古屋ではずっと(不振)だからね。意地とプライドを置き忘れている。内容が悪すぎる」。伊原ヘッドコーチが語気を荒らげるのも無理はなかった。
後はない。しかし、まだ終わってもいない。残る道は4連勝。「それしかない」。主将の阿部がG戦士全員の気持ちを代弁する。原監督も「もう徳俵に足が乗っかった状態。ここから押し返すつもりで戦います」と力を込めた。3試合で土俵を割るようでは、あまりにも情けない。 (井上学)
この記事を印刷する