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マートン『214安打の秘密』語った

 表彰式で天を指さしポーズを決めるマートン=神戸市中央区のデイリースポーツ(撮影・飯室逸平)
 表彰式で天を指さしポーズを決めるマートン=神戸市中央区のデイリースポーツ(撮影・飯室逸平)

 デイリースポーツは2010年度の「猛虎感動大賞」(協力・UCC上島珈琲株式会社)の第8回受賞者に阪神のマット・マートン外野手(29)を選出、21日に神戸市中央区のデイリースポーツで表彰式が行われ、高士薫代表取締役社長から副賞の賞金100万円が贈呈された。今季、プロ野球新記録となるシーズン214安打を達成したマートンは「ファンのみなさんに支えられたおかげです」と虎党の声援に感謝。不滅の金字塔を打ち立てた打棒の秘密を余すところなく語った。

  ◇  ◇

 午後3時10分。予定の時間を少し遅れ、マートンは迎えの車に乗り込んだ。

 「栄えある表彰式だから身だしなみを整えようと思って散髪に行ったんだけど、思ったより時間がかかってしまって…スイマセン」。運転手に丁寧に頭を下げた。ハイヤーのドアを自ら開け、右側の後部座席に腰を下ろした。

 「個人的にはどんな成績を残しても満足することはないけど、こういう形で1年間チームに貢献できたことは、神様に感謝しないといけないね」

 今季は開幕から安打を量産した。広角に打球を打ち分ける独特の打法でチームをけん引し、9月23日の中日戦でプロ野球史上4人目となるシーズン200安打に到達。そして10月5日のヤクルト戦で211安打を達成し、オリックス・イチロー(現マリナーズ)が持つプロ野球記録を16年ぶりに更新した。球史を塗り替えるシーズン214安打の金字塔と、野球に取り組む謙虚かつひたむきな姿勢。虎党の圧倒的支持を集めての受賞だ。

 本社ビル玄関では100人を超える社員がマートンの来社を歓迎。女性社員から花束を贈呈されたマートンは驚きの表情を浮かべながら「アリガトウゴザイマス」と何度も感謝の言葉を口にした。16階の応接室で行われた表彰式後には高士社長らと歓談。「僕は米国で生まれて米国で育った。でもその外にはもっと大きな世界がある。日本に来たことで世界的な視野で物事が見られるようになり、素晴らしい経験ができました」と来日1年目を振り返った。

 午前にはキリスト教団体が主催するイベントの会見に招かれ、神への感謝と来季のさらなる活躍を誓った。シーズン終了後も多忙を極める安打製造機。それでも悲願の優勝と日本シリーズ進出を逃した悔しさは、片時たりとも忘れていない。

 「この気持ちをモチベーションにしたい。悔しさを力に変えて、来年こそ優勝、日本一を勝ち取りたい」

 歓談を終えて11階の編集局へ。214安打をたたき出した打棒の極意に迫ると、マートンの目が爛々(らんらん)と輝き始めた。

 「インパクトからボール4個分先までをイメージしながらバットを振るんですよ」

 おもむろに立ち上がり、バットを手にした安打製造機。身ぶり手ぶりを交えながらの熱弁は、約90分に及んだ。

(2010年10月21日)

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