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【大リーグ】

ヤンキース奮起 カノが爆発。4号ソロ

2010年10月22日 紙面から

 土俵際で踏みとどまった−。20日(日本時間21日)、ア・リーグ優勝決定シリーズ第5戦が行われ、ヤンキース(ワイルドカード=WC)がロビンソン・カノ二塁手(28)の4号ソロなど、打線が奮起してレンジャーズを7−2で下し連敗を「3」でストップ。対戦成績を2勝3敗とした。一方のナ・リーグは第4戦が行われ、ジャイアンツが6−5でフィリーズにサヨナラ勝ち。対戦成績を3勝1敗として8年ぶりのリーグ優勝へ王手をかけた。

 「MVP! MVP!」。4万9832人の大歓声も耳には入らなかった。3回。スウィシャーのソロ弾で興奮冷めやらぬ中、カノが研ぎ澄まされた集中力を一気に爆発させた。制球に苦しむウィルソンのスライダーを一閃(いっせん)。2者連続の一発で、ファンのボルテージは最高潮に達した。

 「自分にとって大きな責任を感じたが、シーズン中と同じようにプレーした。結局、いい打撃をしなければいけないのはどの打順でも一緒だ」

 前日、右太もも痛でポストシーズン絶望となったテシェイラに代わり3番を任された。チームは1試合も落とせないがけっぷちの状況。それでも今季一皮も二皮もむけた男に余計な重圧などみじんもなかった。

 この日は一発だけに終わったが、今シリーズ通算で4割2分1厘、4本塁打、5打点。リーグ優勝決定シリーズでの4本塁打は球団史上最多だ。ジラーディ監督も「彼は一年を通してずっと打線の大きな存在。すべてバットのシンでとらえているように思える」。今シリーズ湿りがちな打線の中、一人気を吐くカノに最大級の賛辞を贈った。

 この日はようやく打線が奮起し7得点。先発サバシアも11安打を打たれながら、要所を締めて6回2失点に抑えた。チームは屈辱の本拠地3連敗を免れ、シリーズの通算成績を2勝3敗とし、再び敵地に乗り込む。

 ジラーディ監督は前日の敗戦後、選手を集結させ「これまでも苦しいところを乗り越えてきたんだ。とにかく明日、試合に勝つことだけを考えよう」と鼓舞した。1敗も許せない状況に変わりはない。ただ目の前の試合だけに全神経を集中させ、ミラクルを起こすつもりだ。

 

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