朴智元氏の「習近平発言」めぐり野党からも批判の声(下)

 今回の騒ぎでは民主党内部からも、「朴院内代表は無理な手段を使ったようだ」という指摘が相次いでいる。

 昨年5月に習副主席と金大中元大統領が会談した際、朴院内代表は韓国の外交官3人と共に同席した。この会談について民主党のある役員も、「中国の次の指導者として、落ち着いた雰囲気のある習副主席が、相手国の政府に向かって批判めいた、外交の場にふさわしくない表現を使うことなどあり得ない。常識から考えてもあり得ないことだ」「朴院内代表はもっと慎重に発言すべきだった」などとコメントしている。また、この日行われた外交通商部に対する国政監査でも、同じ民主党の文喜相(ムン・ヒサン)議員から、「中国の次期指導者となる人物と、わが国の大統領について、軽々しい発言をすべきではない。“アリを殺すために家を燃やすな”ということわざもある」という指摘がなされた。

 金台鎬(キム・テホ)元慶尚南道知事の首相就任を阻止し、また迎浦(慶尚北道迎日郡と浦項市)ライン疑惑などで政府を厳しく追及するなど、最近注目を集めている朴院内代表だが、今回の問題で、「発言の信頼性を損ねた」との指摘が相次いでいる。朴院内代表は最近の国政監査でも、未確認の単なる情報レベルに過ぎない疑惑を持ち出し、民主党内からも、「与党への攻撃も良いが、やや行き過ぎでは」という懸念の声が上がっていた。

 朴院内代表の軽々しい発言により、国内問題に中国外務省を引き込む形になったことで、結果的に自ら国際的な恥をかいたとの批判も出ている。中国政府が他国の政界で起こっている問題に対し、早い時期に自らの立場を表明するのは非常に異例のことで、これは北京の外交関係者たちの一致する見方でもある。次期最高指導者が他国の政治問題に巻き込まれるのは、中国外務省としても良い気分ではなかったようだ。

北京=崔有植(チェ・ユシク)特派員

鄭佑相(チョン・ウサン)記者

許永翰(ホ・ヨンハン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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