出たぁ日本最高配当９億円！平塚競輪チャリロト

ついに出ました！　９億円の払戻金を伝える電光掲示板

　１００円玉２つ、２００円が９億円になったぁ―。国内の「くじ」史上最高配当額となる９億５９８万７４００円が、神奈川・平塚競輪場の競輪くじ「チャリＬＯＴＯ」で２１日、ついに出た。的中は１口。過去の「競輪くじ」の最高配当額は、今年５月３０日、函館競輪場で出た「Ｋドリームス」の１億５９７８万７３４０円。公営競技はおろか、サッカーくじの「ｔｏｔｏＢＩＧ」、「年末ジャンボ宝くじ」を大幅に上回る超ビッグな配当になった。

　掲示板に「チャリＬＯＴＯ」の配当金９億５９８万円が映し出された瞬間、３０００人を超える観衆からどよめきが起こった。選手控室でも「エッ、マジ？うらやましい」の声があちらこちらから起こった。２００８年４月１５日から始まった「チャリＬＯＴＯ」。わずか２００円の投資で最大１２億円のチャンス。同競輪場は発売開始直後の第８回で７９６９万８６００円の配当が出て以来、今回の１５２回まで１４４回キャリーオーバーが続いていた。過去、何度も“リーチ”がかかることはあったが、的中は出なかった。

　この日の販売額は１１４２万１４００円で５万７１０７口。最初の４レースまでに７口まで減り、続くレース終了時に１口に絞られたが、最後の２レース（第１１、１２Ｒ）がともに当たり、今年５月３０日、函館競輪で出た「Ｋドリームス」の１億５９７８万７３４０円を大きく上回った。

　億万長者になったのは山口県在住の男性。継続的に買い続けていて、やっと幸運をつかんだ。年齢や詳しいことは本人の意志で公表されなかったが、ゴールの瞬間は心臓が止まるほどバクバクしたに違いない。２着との差は約２センチ。キャリーオーバーが８億８００５万９４５０円だった１０月６日には、約１７センチの差で的中が出なかったこともあった。最終レースで１着になり、９億円の立役者になった太田真一選手（３５）は「本当？　知らなくてよかった。知っていたらこっちが緊張した。でもこれが競輪の活性化につながってくれればうれしい」と目を細めた。そして「僕の生涯獲得賞金はまだ約７億５０００万円なのに…。それが９億円なんだからね」とうらやましがった。

　過去、「くじ」の最高配当額は２００６年９月に始まったサッカーくじの「ｔｏｔｏＢＩＧ」で最高は６億円。昨年１年間で２３回も出ている。「年末ジャンボ宝くじ」でも前後賞合わせて３億円だから、この９億円の配当は破格。

　「チャリＬＯＴＯ」の会員数は現在約１４万人。（株）チャリＬＯＴＯの上田博雄・代表取締役社長は「的中が出たことは競輪界にとって明るい話題。チャリロトを知ってもらえてうれしく思う。まだまだほかのキャリーオーバーもあるので興味を持ってもらいたい」と語った。

　「チャリＬＯＴＯ」は現在全国８場で実施されている。２７日から始まる伊東競輪はキャリーオーバーが１億２０７６万２６００円。同２８日からの小倉競輪は、２億８１９６万８２００円もたまっており、平塚に続き億万長者になるチャンスは十分にある。

　◇チャリロトとは？　特定の競輪場で開催されているレースの後半７個レースの１着をすべて当てる「競輪くじ」。パソコンでしか購入できない。コンピューターが自動的に番号を選ぶ方式で一口２００円。当選確率４７８万２９６９分の１。当選者がいない場合はキャリーオーバーになり、最高１２億円まで繰り越せる。

　◇お得な「くじ」は？　今回の配当で注目を浴びた「競輪くじ」。「ｔｏｔｏ　ＢＩＧ」と「チャリＬＯＴＯ」の確率が４７８万２９６９分の１でまったく同じ。「ジャンボ宝くじ」は１等最高２億円で約１０００万分の１。最高４億円の可能性がある「ロト６」の１等当選は約６１０万分の１。となると「宝くじ」や「ｔｏｔｏ」と違い、当選金に高額な税金が所得税、地方税とダブルでかかる「競輪くじ」は納税額が高い。非課税で最大６億円の当たるチャンスのある「ｔｏｔｏ　ＢＩＧ」が最も確率、税金面を考えてもお得感がある。

　◇スポーツ選手と比べて　毎年、米経済誌「フォーブス」が発表している「高額所得スポーツ選手」ランキング。２０１０年版の第１位は男子ゴルフのタイガー・ウッズで約１億５００万ドル。日本円だと約８５億円だから、今回出た「９億円」はタイガー・ウッズが１か月強で稼ぐギャラと同等。プロ野球選手では日本人選手の最高と目される阪神・金本知憲の今年の年俸が４億５０００万円（推定）。「チャリＬＯＴＯ」で１日にして金本の年俸２年分が転がり込んだ計算になる。

（2010年10月22日06時02分スポーツ報知）