朝日新聞、共同記事に酷似で謝罪

　朝日新聞大阪本社は２２日、１９日付朝刊文化面に掲載した「マニ教の宇宙図が国内で発見された」とする記事の中で、共同通信が９月に配信した記事と酷似し、盗用と疑われかねない表現があったと発表した。

　記者会見した草川誠代表室長補佐らの説明などによると、「『宇宙図』では最上部が天国とみられ、その右下に太陽、左下に月が描かれている」と記述した一文が共同通信とほぼ同一など、約４０行の記事の大半で表現が酷似していた。

　執筆したのは生活文化グループの男性記者（４７）で「表現が引きずられた」と話し、盗用の認識はなかったとしている。

　朝日新聞は２２日、共同通信に謝罪。記者や執筆を指示した男性デスク（４８）を処分する方針で、再発防止策も検討する。

　朝日新聞によると、記事は「マニ教『宇宙図』確認」の見出しで掲載。記者は共同通信が９月２６日に配信した記事を読んで取材を始め、文献や資料を調べたほか、宇宙図の存在を確認した京都大大学院教授を取材した。

　執筆の際には、共同通信の記事の内容も参考にした結果、教授のコメントなどをのぞき、表現が酷似したとしている。

　朝日新聞は共同通信の指摘を受けて調査していた。

　渡辺雅隆・朝日新聞大阪本社編集局長「独自に取材し、資料や参考文献をもとに記事を書きましたが、本文の表現が共同通信社配信の記事と酷似していることは否定できません。共同通信社および加盟社、関係者の皆様に深くおわびいたします」

　奥野知秀・共同通信社編集局長「記事の表現が酷似したことは遺憾に思います。朝日新聞社からこの問題の説明を受け了解しました」

（2010年10月22日21時42分  スポーツ報知）

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