硫黄島、集合埋葬地の可能性 遺骨51柱発見、資料と一致太平洋戦争末期の激戦地・硫黄島(東京都小笠原村)を調査している政府の遺骨収集団は21日までに、日本兵とみられる遺骨計51柱を島内2カ所の地中から発見した。政府関係者によると、米国側に残された資料とほぼ一致する場所で、片方は約2千柱、一方は約200柱の集合埋葬地の可能性が高いという。 集合埋葬地は存在の可能性が指摘されていたが、これまで未発見だった。収集団は22日、菅直人首相に報告する予定。 関係者によると、遺骨収集の政府特命チームが集めた米国立公文書館の資料などに基づき、収集団が6日から島中心部の自衛隊基地滑走路付近と、要衝だった島南部の摺鉢山のふもとを掘削。中心部から28柱、南部から23柱を発見した。一カ所でまとまって見つかったことから、人為的に埋められたとみられる。 米側資料ではこの2カ所を「敵の墓地」と英語で表記。埋葬数は中心部が約2千柱、南部は70~200柱とされる。慎重に掘り進めるため、最終的な確認は年末から年明けになる見通しだ。 硫黄島では日本兵約2万2千人が戦死。これまで、兵の待機場所だった地下壕を中心に約8700柱が見つかった。 【共同通信】
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