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暮らしの役立ち情報

【ペットと暮らす】 ペットと暮らすルール

最近はペットを飼うことができるマンションが増えてきました。不動産経済研究所の調査によると、首都圏における05年に分譲された新築マンションのうちペット飼育可能なマンションの割合は64.3%と6割を超えています。
その割合は02年の30%超から毎年10%ほど増加しており、近い将来ほとんどの新築マンションがペット飼育可能となるほどの勢いです。

ただし、既存のマンションでは多くがペット飼育禁止であり、基準があいまいな場合も散見されます。国土交通省が97年に中高層共同住宅標準管理規約の改正を行う中で、ペット飼育を「管理規定に定めるべき事項」としたことから、ペット飼育の管理規約上の可不可は明確になってきました。しかし、ペット飼育可能であっても、多くのマンションで糞尿や臭気、鳴き声や毛の飛散などの問題が起きているのが実情です。

以上のように、マンションでペットを飼うことについては、いろいろな問題がありますので、ペットと快適にマンションに暮らすには十分な注意が必要となります。ここでは、マンションごとのルールに従いながらマンションでペットと快適に暮らすための提案をしていきます。

管理規約を確認しましょう

管理規約の事例
分譲マンションにはマンションごとに管理規約があります。ペットを飼おうとする場合は、ご自身のマンションの管理規約をよく確認する必要があります。ペット飼育に関しての管理規約の定めは大きく次の3種類に分類できます。(1)ペット飼育禁止(2)ペット飼育可(条件・制約つき)(3)定め無し です。それではそれぞれの定めに沿って確認していきましょう。

1.ペット飼育禁止
ペット飼育禁止は、文字通りペットを飼うことができないマンションです。こうしたマンションでは「ペットは飼えない」と考えるべきです。隠れて飼うような状況では、ペットも飼い主も快適に暮らすことは難しいでしょう。
管理規約を改正して、ペット飼育可に変更することができればよいのですが、管理規約の変更は総会による4分の3以上の賛成が必要な特別決議ですから、少しでも反対の方がいると承認を得ることは非常に難しいといわざるを得ません。
一部にペット飼育が黙認される場合もありますが、何か問題が発生したときには管理規約に照らして判断が行われますので、厳しい対応を余儀なくされる覚悟が必要です。。

2.ペット飼育可(条件・制約つき)
ペット飼育可のマンションでもその条件や制約により、いくつかのパターンがあります。

  • 「ペット飼育細則」が定められており、ルールが明確な場合、
  • 「他の居住者に迷惑をかけなければいい」というような曖昧な表現で都合の良いように捉えられる場合、
  • 「一代限り認める」というような、ペット禁止の条件の中でルール制定時の飼育ペットに限り認めるというような暫定措置的なルールなどが考えられます。

いずれの場合も、ペットを飼っている人たちがルールを守り、他の居住者との共存を図ることが重要となります。

3.定め無し
定めの無いときには、専有部分で飼う場合において、区分所有者は専有部分を自由に使えるという原則に基づき飼育可能であると考えられます。
ただし、当然他の居住者への迷惑になる行為は禁止ですので、他の居住者への接触を避けることを前提とした範囲での飼育が可能になるといえます。したがって、快適にペットと暮らすには、管理規約や細則などでペット飼育に関するルールを定めておくことが、望ましいと考えられます。

なお、ペット飼育が禁止されている場合でも、身体障害者補助犬法に規定する身体障害者補助犬(盲導犬、介助犬及び聴導犬)に該当する場合は禁止の対象となりませんので注意してください。(標準管理規約第18条コメントによる)
また、ペット飼育可で大きさの制限がある場合でも、身体障害者補助犬は同様に制限の対象とならないといえるでしょう。

マンションでペットと暮らすルール

飼育細則
それでは、ペット飼育細則とはどのようなものなのでしょうか。マンションに住んでいるのは、ペットが好きな方ばかりではありません。あまり好きでない方もいますし、アレルギーの方もいれば、動物を怖がるお子さんもいるかもしれません。そのような多様な方々の共同生活を円滑にするためのルールが管理規約や細則となっています。ですから、このルールを守って他の居住者に迷惑をかけないことが大切です。

ペット飼育細則には、一般的に次のようなことが決められています。ここでは(財)マンション管理センターの中高層共同住宅使用細則モデルのペット飼育細則例を参考にまとめてみました。

  • 飼育できる動物の数、大きさ、種類など
  • ペットクラブについて
  • 飼育開始の届出、死亡時の手続、処理
  • 飼育時の遵守事項
  • 健康管理(予防接種、健康診断)
  • 飼育による損害賠償

マンションでぺットを飼うには、これら飼育細則をよく理解し、従うことが、ペットと快適に暮らすコツといえるでしょう。

ペットを飼うルール

守るべきルール
飼育細則の中でも、特に日常気を付けなければいけない事項が、飼育時の遵守事項です。

〔飼育できる場所〕

  • ペットは専有部分(室内)で飼育し、バルコニーや専用庭で飼ってはいけません。
  • 餌やり、排尿排便は、室内で行います。
  • ブラッシングや抜け毛の処理も室内で行い、特に共用部や他の住戸に毛が飛散しないように注意しましょう。



〔共用部分や敷地での注意〕

  • 動物は必ず抱きかかえるか、ケージに入れて運ぶようにします。
  • エレベータに乗る際は抱きかかえて、先に乗っている方の了解をもらってから乗り込むようにします。
  • 敷地や屋上などで遊ばせることも禁止されています。

〔習性の理解〕

  • 犬であれば、運動不足による無駄吠えを防いだり、不安なときにも容易に吠えないしつけが必要です。
  • 猫でも発情期の鳴き声に注意が必要です。

 

知っておきたいペットの法律
ペットを飼うにあたって関係する法律には、動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)とその第5条に基づいて総理大臣が定める、犬及び猫の飼養及び保管に関する基準(犬猫基準)があり、これを基に各都道府県が条例を定めています。、また犬については、狂犬病予防法などがあります。ここに主な内容を紹介しておきますので、参考にしてください。

 

〔動物愛護管理法〕

  • 動物をみだらに殺したり、傷つけたり、苦しめることのないようにすること。
  • 動物の習性に考慮して適正に取り扱うようにすること。
  • 動物の健康及び安全を保持するよう努める 。
  • 動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、又は人に迷惑を及ぼすことのないように努める。
  • 動物に起因する感染症の疾病について正しい知識を持つように努める。
  • 繁殖をすべきでないと判断される場合、飼主は不妊手術等を行うように努めること。
  • 保護動物を殺したり、傷つけたり、虐待したり、捨てた者は、罰せられる。

〔犬猫基準〕

  • 飼主は、動物の本能・習性・生理を理解し、家族同様の愛情を持って保護すること。
  • 寿命のある限り飼い続けること。
  • えさや水はきちんと与え、外部寄生虫の防除、疾病の予防など健康管理に努めること。
  • 種類、発育状況、健康状態に応じて、適正に運動させること。
  • 犬の放し飼いをしないように、また、施設から脱出しないよう措置を講じること。
  • しつけ及び訓練を適正に行い、制止に従うよう訓練に努めること。
  • 運動させる場合は、引き綱で確実に保持すること。
  • 犬を飼っていることを示す標識を、門など人の見やすい場所にはっておくこと。
  • ふん等で、公共の場所や他人の土地を汚さないこと。
  • 汚物及び排水の処理など施設を常に清潔にし、悪臭等で他人に迷惑をかけないこと。

〔狂犬病予防法〕

  • 犬を飼い始めたら、30日以内に畜犬登録を受けること。(生後90日以内の犬は90日経過後)
  • 毎年1回、狂犬病予防注射を受けさせること。
    獣医師のところで注射を受け、証明書を区市町村役場に提示して、注射済票の交付を受ける。
  • 鑑札と注射済票は、必ず犬に着けておくこと。
  • 犬が死亡したときや、犬の所在地、所有者の住所など登録内容を変更したときは、区市町村役場に届を出すこと。

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