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updated: 1/24/06
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目次
介助犬の仕事
なぜ介助犬が必要?
心を支える
介助犬の育成と引退後
働く犬はかわいそう?
介助犬に出会ったら
盲導犬が目の不自由な人を助けるように、介助犬は、手足が不自由な人の日常生活を助けるために特別に訓練された犬です。
欧米では数千頭が活躍しています。日本には2005年12月現在28頭。
それぞれの人(障害者)が必要としていることに合わせて、例えばこんなことをします。
手足が不自由な人が、ひとりではできないことやむずかしいことは、たくさんあります。多くの人は、家族やヘルパーなどに手伝ってもらいますが、1日中ずっと誰かがそばにいるわけではありません。
いつ転んだり、物を落としたりするのか分からないのに、ずっと誰かにそばにいてもらうのは大変です。手足が不自由な人も、手伝う人も、気をつかって疲れてしまいます。
また、人に手伝ってもらってばかりだと、自分で考え、自分で決めて、自分で行動する、自分で責任をもつ、という「自立」も難しくなってしまうことがあります。
介助犬はいつでもそばにいてくれます。夜中でも、ひとりでいる時でも、必要な手助けをしてくれます。手足の不自由な人は、いつでも気兼ねなく必要なことを頼めるようになり、自立も保てます。
ちょっとしたことを人に頼むのは、心苦しいものですが、介助犬は、仕事をしてほめられるのが楽しいので、何度でも喜んで手伝ってくれます。それが、手足の不自由な人の気持ちを楽にしてくれます。
また、機械や道具と違って、犬は状況を判断して自分で行動することができます。そのため「使用者が転んだら、家族を呼びに行く」など、緊急時の役割もあります。
手足が不自由だと、できないこともたくさんあるので、「自分には価値がない」と思ってしまうこともあります。でも、介助犬が一緒だと、人に頼まなくてもできることが増え、犬に頼られたり、世話をしたりすることで、「できることがある」「必要とされている」と感じて、自信を持ち、前向きな気持ちになれます。
使用者と介助犬は、おたがいにとても強い信頼関係で結ばれています。使用者は、「何かあっても、きっとこの犬は自分を助けてくれる」と介助犬を信頼しているので、安心して暮らすことができます。「この犬と一緒にがんばれる」という気持ちも生まれます。
介助犬は、こうして使用者の「心」を支える役目もします。これは、機械や道具ではできないことです。
穏やかで人が好きな犬を選び、愛情を注いで育て、生後1年前後から訓練します。現在では、訓練方法も、体罰のない優しい方法が主流です。
平均6ヶ月から1年程度の訓練で、犬はマナーを身につけ、必要な20〜80程度の言葉を理解できるようになります。
その後、介助犬を必要とする障害者と一緒に、40日以上、長くて数ヶ月の共同訓練を修了し、認定されて、初めて「介助犬」になります。
引退後は、一般家庭にペットとして引き取られてのんびりと過ごします。使用者のもとにペットとしてとどまる犬もいます。最後まで、家族の一員として人に愛されて過ごします。
介助犬は(盲導犬・聴導犬も)、それぞれの仕事に向いた性格・体格の犬が選ばれて、適切に訓練されるので、仕事が負担になったり、寿命が短くなることはありません。
(盲導犬の寿命が短いという話は、引退の年齢と死亡の年齢を取り違えた誤解です)
犬は、仲間(主人や家族)と一緒に行動し、その中で必要とされることを喜ぶ動物です。大好きな人に心から信頼され、仕事をすれば「グッド! 助かったよ、ありがとう!」とほめられるのは、犬にとって幸せな生活なのです。
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