円高:財務相、為替介入を示唆 日銀は追加緩和検討

2010年8月25日 11時29分 更新:8月25日 12時26分

記者の質問に答える野田佳彦財務相=2010年8月25日、共同
記者の質問に答える野田佳彦財務相=2010年8月25日、共同

 外国為替市場で円相場が一時、1ドル=83円台まで急騰したことを受けて、野田佳彦財務相は25日朝、記者団に対し「必要な時には適切な対応を取らなければいけない」と述べ、政府・日銀による円売り・ドル買いの為替介入などの可能性を示唆した。一方、日銀は同日、臨時の金融政策決定会合の開催も視野に入れ、追加の金融緩和策の具体的検討に着手した。市場では「政府・日銀の対応の鈍さが円高や株安を進行させている」との見方が広がっており、対応を迫られた形だ。【久田宏、清水憲司】

 野田財務相は24日夕にも緊急会見し、円相場は「一方的に偏った動き」との認識を表明。しかし、為替介入は「コメントしない」と述べるにとどまったため、円買いが加速し、海外市場で1ドル=83円台に突入した。このため、25日朝、財務省で取材に応じ、為替介入について、直接的な言及は避けたものの、「適切な対応を取る」とより踏み込んだ形で可能性を示唆した。

 野田財務相は為替相場の動きについて「重大な関心を持って極めて注意深く見守っていく」と強調。また、「日銀とも緊密に連絡を取りながら対応する」と政府・日銀が連携して対応する考えを改めて示した。

 ◇「新型オペ」拡充など柱

 一方、日銀は、急速な円高・株安が回復途上にある日本経済に打撃を与える恐れが強まったとの見方を強め、追加の金融緩和策の検討に着手した。政策金利と同じ超低金利(年0.1%)で、やや長めの期間の資金を供給する「新型オペ」の拡充などを柱に、検討を進める見通しだ。

 具体的には、新型オペの現行3カ月間の貸出期間を6カ月に延長したり、総供給額を20兆円から引き上げる案が出ている。9月6、7日に定例の金融政策決定会合を予定しているが、一段の円高・株安になれば、週明けにも臨時会合を開く可能性がある。

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