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日中関係の悪化 アジア情勢にどう影響するか

 
18.10.2010, 15:51
Photo: EPA
 沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件をめぐって、先週末、中国、日本の両国で大規模な反日デモ、反中デモが行われた。

 中国での抗議行動に参加した市民らは中国政府に対し、この島の領有権を守るよう強く訴えた。現地では数千人の学生らが日本製の自動車を襲撃し、日本製品の輸入を止めるよう求めた。日本のスポーツ用品店「ミズノ」の襲撃は警察によって阻止された。

 日本の菅直人首相が中国政府に対し、日本企業の利益を守るよう求めたが、これに対して中国外務省の公式報道官は次のような声明を表した。「日本の誤った行動と発言に対する中国市民の抗議行動は理解できるものではあるが、愛国心は法的かつ理性的な手段で表現されるべきだ。中国と日本は友好国であるが、両国の間にはデリケートで複雑な問題が存在する。それらを解決するためには対話の道を模索するべきであり、互恵的・戦略的パートナーシップ関係を共同で維持していくことが必要だ」

 一方、こうした事態を受けて16日、日本でも尖閣諸島事件をめぐる反中デモが起きた。日本のメディアは「中国との関係が緊張化したことによって、日本国民は自国領内に米軍基地を設置する必要性を認識した」と報じている。しかし、この問題が生じる以前にも日本国内での米軍基地は必要不可欠なものだと考えられてきた。何よりも朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)からの脅威に対抗するためだ。しかも、これまでも日本人は反米デモを行ってきたわけではなく、常に基地と隣り合うことから生じる問題を理由に、基地の存在に反対するデモを行ってきたのである。

 日本の対アジア政策については地政学的な3つの要素に基づいて判断できる。1つはアメリカとの戦略的パートナーシップ、2つ目は中国との競争関係、そして3つ目は日本政府が公式に認めているように、アジア地域におけるロシアの立場強化を日本が望んでいないという点である。現在の中国との関係悪化は今後の日中関係、さらには地域情勢にどのような影響を与えるだろうか。ロシア科学アカデミー極東研究所日本研究センターのオレグ・キスタノフ所長にお話を伺った。  

 ―現在中国では領土問題をきっかけとして、反日感情が激化しているが、実際には、この問題は非常に深い根を持った問題だ。というのも、日本が中国を侵略したときから、世代を超えて脈々と伝えられている感情であるからだ。反日デモの参加者は主に、学生などの若い世代が中心となっているが、そのことは日本に非常な警戒感を与えている。そのほかにも、中国と日本の間には多くの問題が存在し、日本は脅威を感じている。日本では全体として、沖縄からいまだ米軍が撤退すべき時期ではないだろう、といった感触が広まるだろう。しかし、現在の状況においては、中国と日本、または中国とアメリカといった二国間での軍事衝突は考えられない。時間がたてば、状況も落ち着くだろう。また日本は中国と、複雑な関係を持っている。中国の急成長する経済・軍事力は脅威ではあるものの、中国はいまや、日本の最大の貿易相手国なのだ。アメリカ市場やヨーロッパ市場が打撃を受けたとき、日本経済を救ったのは、中国の国内市場であると言うことさえできるだろう。日中の経済関係は非常に緊密かつ相互に利益をもたらすものだ。もしも両国の関係悪化によって、05年から06年に見られたようなロシアへの資本移動が起きるならば、日本と中国の経済関係にとって大きな影響がでることとなるだろう。 

 日本は、ヨーロッパにおける欧州安保協力機構と同じような組織を、アジア全体レベルで構築しようと試みている。グローバル化が進む中で、地域レベルでの協力が不可欠であると、日本は主張しているが、日本側のそのような提案は、他のアジア諸国からの理解を得ているとはいえない。またロシアや中国が、自らの勢力圏においてそのような組織を歓迎することもありえないだろう。今回の日本と中国の関係悪化は、アジア全体での地域統合の実現をさらに困難なものとすることだろう。

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