反日・反中デモが拡大、対立が民間に飛び火(下)

 同日のデモは、日本の右翼勢力による反中デモや在日中国大使館に実弾が届いたといったニュースを伝え聞いた大学生がインターネットで連絡を取り合って起こしたものだ。それに一般市民が加わり、デモの規模は雪だるま式に拡大した。北京駐在の外交消息筋は「2005年の反日デモは政府が支援した官製デモの性格が強かったが、今回は地方の若者の間で自発的に起きた」と指摘した。

日本、反中デモより反日デモに関心

 日本では16日、東京都心で大規模な反中集会が開かれた。田母神俊雄前航空幕僚長ら極右陣営の約2000人が青山公園に集まり、「中国が日本や他のアジア国家を侵略するのを放置しない」と叫び、デモを展開した。デモ隊はその後、在日中国大使館まで行進した。

 日本のメディアは、国内の反中デモよりも中国の反日デモに焦点を合わせた報道を行った。NHKなどは、成都、西安などにある日本人経営の商店、飲食店のガラスが割られる模様を繰り返し伝えた。北京在住の日本企業関係者は「今回の反日デモは経済成長に伴い高まった中国国内の民族主義感情、社会的不満などが結び付いたものだ」と分析した。

中国外務省、自制を呼び掛け

 両国政府は事態収拾に苦悩している。中国外務省の馬朝旭報道局長は「意思表示は法律に従い、理性的に行われるべきだ」と自制を呼び掛けた。また、日本政府も在中日本大使館を通じ、日本人の安全確保を中国政府に要求するとともに、政府レベルでの対話を通じた解決を図っていく方針だ。

東京=辛貞録(シン・ジョンロク)特派員

北京=崔有植(チェ・ユシク)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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