はい回るうじを払いのけ、ぬらしたタオルで泥や血をぬぐい落とした【東京新聞の記事】五百二十人が犠牲になった日航ジャンボ機墜落事故から十二日で二十五年を迎える。足利赤十字病院(足利市本城)の加藤君江看護部長(60)は当時、群馬県の藤岡市民体育館で遺体の処置に当たった。毎年この日を迎えるたび、祈りをささげてきたという加藤さん。「あの惨劇を二度と繰り返さないでほしい」と強く願っている。 (小倉貞俊)
事故発生から三日後の一九八五年八月十五日朝。同病院の看護婦長だった加藤さんは日赤群馬県支部からの要請で、医師ら六人とともに検視場所の同体育館に入った。任務は墜落現場「御巣鷹の尾根」(群馬県上野村)から運ばれる遺体の洗浄と整復作業だった。
館内に足を踏み入れた途端、異様な雰囲気にたじろいだ。窓は暗幕で覆われ、うだるような熱気と、鼻をつく異臭に満ちていた。
遺体を包んでいた毛布を広げると、あまりの損傷の激しさに言葉を失った。姿形をとどめておらず、ばらばらだったり、黒焦げになったものもあった。
「『私たちがやるしかない』と無我夢中でした」。手を合わせ、黙祷(もくとう)してから作業に入った。はい回るうじを払いのけ、ぬらしたタオルで泥や血をぬぐい落とす。バケツの水はすぐに黒くなり、水替えを何度も繰り返した。
遺族のショックを少しでも和らげようと、新聞紙や布を丸めて遺体の失われた部分を作り、人の形に整えた。「ご家族に会う前に、少しでもきれいにしてあげたい」一心で、流れ落ちる汗が目に染みるのもかまわず必死で手を動かし続けた。…(2010年8月11日)全文はこちら
【写真】「あの惨劇を二度と繰り返さないでほしい」と話す加藤さん=足利赤十字病院で、東京新聞
空が白み始める午前5時半-6時半ごろが「要注意時間」【山形新聞の記事】…「クマは基本的に夜行性。一日の活動を終え、山に帰る夜明けや活動を始める夕方ごろが、人間の活動時間と重なり、遭遇する可能性が高い」。こう指摘するのはマタギ文化研究所の工藤朝男顧問(74)=鶴岡市大鳥。特に今の季節ならば、空が白み始める午前5時半~6時半ごろが「要注意時間」(工藤顧問)という。 実際に21日に飯豊町椿でクマが目撃された時間は午前6時半だった。今月14日に長井市の長井北中正面玄関で清掃していた市職員が襲われたのも午前6時40分、同12日に飯豊町添川の自宅前で夫婦が顔をかまれるなどの被害に遭ったのも午前5時40分ごろだった。 相次ぐ人里へのクマ出没で住民の不安は募る一方だが、クマが生息する山林で何が起きているのだろうか。毎年、マタギサミットを主宰する東北芸術工科大の田口洋美教授は「山のえさが不足している…【続きを読む】
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日中関係に春が来るのはいつになるだろうか【山梨日日新聞のコラム】「十年一昔」といわれるが、この10年でこんなにも変わってしまうのか。そんな思いを抱かせたのが、山梨県と友好県省を結んでいる中国四川省で起きた反日デモである ▼数千人の群衆に包囲された成都市中心部のスーパー・イトーヨーカ堂。山梨県からの訪問団に同行して訪れた2000年、甲府商工会議所による「山梨の産業と観光展」が開催中で、現地の人が日本のシンボル富士山の写真に興味深そうに見入っていたのを思い出す……… ………▼「日本を滅ぼせ」-。絶叫するデモ隊に目立った若者たちの姿。あの時、ともに汗を流した子供たちはいないと信じたいが、同じ年代だと思うとやるせない ▼四川省は、「詩聖」といわれる杜甫が草堂を立てて住んだ地でもある。「国破れて山河あり」で始まる有名な「春望」の詩にはこんな一節が出てくる。「時に感じては花にも涙を濺(そそ)ぎ」 ▼パ…【続きを読む】
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特捜のエース2人を切っただけで治るはずもなく、全身疾患は死に至る病になりかねない【東奥日報のコラム】…官僚組織にとっての大きな問題は、とかく世間のやり玉に挙がる腐敗よりも、倫理の退廃であるという。大阪地検特捜部の元主任検事による証拠改ざん事件をきっかけに、多くの国民が検察組織に冷ややかな目を向け始めたのは、正義のとりでの退廃を疑うからだろう。 犯人隠避の罪で、元主任検事の上司の前特捜部長と元副部長が起訴されるに至った。証拠のフロッピーディスクのデータを故意に改ざんしたと認識しながら「過失」と説明するよう指示したとされるが、2人は起訴内容を全面否認している。黒白は法廷で付けることになる。 元主任検事に禁じ手を使わせた原因が、組織に広がる無謬性症候群にあったならば、問題の根は相当深い。最強の捜査機関にとって、最も怖いのは組織をむしばむ退廃と独善の合併症だ。特捜のエース2人を切っただけで…【続きを読む】
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一日中、夫と一緒に過ごすことで体調を崩す妻の症例の総称 【岩手日報のコラム】定年後の男の孤独を描く渡辺淳一さんの「孤舟」(集英社刊)という小説の中に「主人在宅ストレス症候群」なる言葉が登場する。 ▼その名称から一目瞭然(りょうぜん)、一日中、夫と一緒に過ごすことで体調を崩す妻の症例の総称だ。ネットによると命名者は関西の著名な心療内科医。「亭主元気で留守がいい」というテレビCMがはやったころに気がついた-とホームページにある。……… ▼その「元気亭主」も、はや定年の年ごろ。現役時代、仕事熱心だった人ほど退職後の喪失感は大きいという。渡辺さんの小説は、団塊世代の大量退職を、家族の問題としてとらえている。「仕事熱心」かどうかはさておき、切迫感はある。……… ▼妻の望みは-と考えて、結構知らないことがあるのに気づく。定年後の家族の風景は、緊張関係にある隣国の出方を予想するよりも難しい。(2010…【続きを読む】
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★勤労の実りが年々落ち込んでいる 【福井新聞のコラム】江戸っ子が啖呵(たんか)を切る。「宵越しの銭はもたねぇんでい!」。稼ぎを蓄えるケチな了見は捨て、その日のうちに使い切る。なんとも気(き)っ風(ぷ)がいい。しかし江戸の川柳に「これ小判たった一晩いてくれろ」とも残っており、貧乏庶民の精いっぱいの見栄(みえ)だったのだろう▼時は現代。「宵越しの金は持たないよ」と言わんばかりに湯水のように使う子どもを見掛ける。金銭感覚が麻痺(まひ)し、「無駄遣い癖」の始まり。将来に多大な影響を与えると生活経済ジャーナリスト、いちのせかつみさんは警鐘を鳴らす………いちのせさんは無駄遣い癖という子どものころ芽生えた悪性が人生を狂わせる恐れは十分という▼17日は「貯蓄の日」。伊勢神宮の「神嘗祭」にちなみ、勤労の実りを大切にしようと貯蓄増強中央委員会(現・金融広報中央委員会)が提唱して1952年に始まった。だが、…【続きを読む】
【長岡輝子さん死去】「おしん」で大奥様役を演じた姿を記憶している人も多いだろう
重厚老練、凜(りん)とした演技が光っていた【佐賀新聞のコラム】…長岡さんがNHK連続テレビ小説「おしん」(1983年)で、幼いおしんの奉公先、加賀屋の大奥様役を演じた姿を記憶している人も多いだろう。佐賀とも縁あるこのドラマ。けなげなおしんを厳しく、やさしく愛した長岡さんの重厚老練、凜(りん)とした演技が光っていた ◆「賢治さんは天才だと今では誰もが言います。それはその通りですが、私は、賢治さんがいかに普通の人だったかを伝えていければいい」と語っていた長岡さんが亡くなった。若いころ留学したフランス仕込みの気品あふれる演技。翻訳、演出、主演もこなした才能 ◆長岡さんの豊かな晩年を垣間見る『長岡輝子の四姉妹』(草思社)で「(姉妹は)みんな選んだ男性もよかった。音楽を演奏したり、詩を書いたり、大した人たちだったわ」とわが人生を振り返っている。102歳、大往生である。(賢) (2010年10…【続きを読む】
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セ・リーグで3年連続最下位チームの“厚遇”は、浮世離れしていると思えるのだが【山梨日日新聞のコラム】…プロ野球選手会の今年の調査によると、横浜は約60人の支配下選手に平均約3700万円の年俸を払っている。民間企業に勤める男性の年間平均給与が約500万円の時代。セ・リーグで3年連続最下位チームの“厚遇”は、浮世離れしていると思えるのだが ▼横浜が決して特別なわけではない。阪神やソフトバンクは実に平均5千万円を超え、12球団全体で1億円プレーヤーは74人を数える ▼ファンに夢を売る職業で、たぐいまれな才能の持ち主の集まりではあろうが、野球だけに突出した価値があるとも思えない。親会社任せのバランスを欠いた収支で長続きはしない。プロ野球は経営の面から、バブル的な年俸を見直してもいい。(2010年10月21日付「風林火山」)全文はこちら ■「横浜ベイスターズ」最終戦にファンは惜しみない拍手…【続きを読む】