記事入力 : 2010/10/22 08:16:05
核問題:北朝鮮が実験を準備するワケ
北朝鮮が咸鏡北道吉州郡豊渓里一帯で3回目の核実験を準備している兆候がとらえられたことと関連し、ワシントンの外交消息筋は21日、「北朝鮮は今後約3カ月間、米国が対話に乗り出さない場合、核実験を行うこともあるというシグナルを伝えるため、豊渓里一帯で活発な動きを見せる可能性がある」と語った。1回目、2回目の核実験を強行した際、豊渓里一帯で北朝鮮が示した核実験準備の進行状況が、核実験まで3カ月程度の期間が必要だという分析の根拠になったという。
金正日(キム・ジョンイル)総書記の三男・正恩(ジョンウン)氏による後継体制の安定に必要な外部からの経済援助がほしい北朝鮮は、3カ月程度の「時限装置」を作動させ、韓国や米国に対し、「早く交渉に応じなければ、核実験という事故を起こすかもしれない」という脅迫カードを切ったというわけだ。
かつて北朝鮮は、瀬戸際になるたび核カードを用い、危機を突破しようとしてきた。2006年の1回目の核実験は、ブッシュ米政権による金融制裁という局面で行われた。また、09年の2回目の核実験は、金総書記の健康問題や正恩氏の後継者内定など、北朝鮮内部が不安定化したときに実施された。現在は、哨戒艦「天安」沈没事件以降、韓米による対北制裁が続き、後継者として公式に登場した正恩氏の地位も固まっていない状況だ。北朝鮮では、内外に危機感を抱いているとみられている。また、北朝鮮がインドやパキスタンのように核保有国として認められるには、技術的に3回以上の核実験が必要だという。「すぐにではないが、北朝鮮が3回目の核実験を行う理由は十分」(安全保障部局の関係者)というわけだ。
ワシントン=李河遠(イ・ハウォン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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