鞭杆を仕立てる。

  本家内家拳研究会に次いで中部内家拳も鞭杆に挑戦。
中部内家拳鞭杵研究班の初仕事、まずは鞭杆の仕立てから。
  材料
・白蝋棹
・ぼんじり(鶏のしっぽ、尾骨の肉のまわりにつく脂肪を使う)
・クルミオイル(欧米ではポピュラーな調味料、ドレッシングや鳥料理の味付けに使用する)

道具
・サンドペーパー(80〜120=粗削り用、180〜240=調整用、400〜仕上げ用)
・サンディング・ブロック(ラバー製)
・ノコギリ
・ペンチ
・ヒートガン
・針金(細手)
・虫ピン
・手袋(軍手、ビニール手袋など)
・割箸か竹べら
 

A:サンドペーパー
B:サンディングブロック
C:ヒートガン
D:針金
E:虫ピン
F:プライヤー(ペンチ)
G:クルミオイル

参考、
ヒートガンはホームセンターなどで入手可能。
ヘアードライヤーより高温・強力で
バーナーより低温。
バーナーなどに比べて温度管理が良好なこと、溶けた脂を風圧でコントロールできることが利点。

 
 

これがぼんじりの脂身の部分。
みるからに脂そのものである。

 
 
下準備
鞭杆に使う白蝋棹の長さを調整する。
使用する人の握りで13把または床からみぞおちの高さを基準とする。
 
1、サンディング
   

左は粗削りの途中。
白く見えるところが内皮を剥がした部分 。

右が仕上がり。


中国製の白蝋棹は樹皮を剥いた状態で売られている。
粗削り用サンドペーパーで残っている薄茶色の内皮を落とす。
コブや隆起は油がしみ込むポイントになるので削りすぎないように。
サンダーや堅いサンディングブロックを使用すると平らになりすぎるので注意すること。

凹みや細かい部分の内皮も調整用サンドペーパーで丁寧に取り除く。
木質によって切削痕が気になる場合は仕上げ用サンドペーパーで調整する。


サンディングの基本は、内皮を取り除くこと。削りすぎないように。
木端の部分は最後に調整する。

 
 
 
2、ぼんじりの脂をしみ込ませる
ここから先は脂で汚れる作業になるので事前に対策をすること。
   

サンディングが終わった鞭杆の根本の部分に適当にカットしたぼんじりを虫ピンで固定する。ぼんじりをなるべく鞭杆に添うように針金で巻き付ける。(写真左)

下に脂受けを用意して適当な場所に鞭杆を立てて置く。
ヒートガンでぼんじりを加熱する。脂が鞭杆に流れだしたら、ヒートガンを使って鞭杵の表面全体に脂の流れを誘導する。脂の流れが少なくなったらぼんじりを加熱する。これを繰り返し鞭杆に脂を浸透させる。
(写真右)


ヒートガンで木部を加熱しながら脂を誘導することで脂を浸透させるので、割箸や竹べらで脂の流れを調整しながら鞭杆全体に行き渡るよう繰り返す。

鞭杵の根本側を上にしてぼんじりを巻き付ける。 ヒートガンで脂を流していく。
    下に置いた脂受けが耐熱性であれば下に向いた先端部からも十分浸透する。脂受けが用意できなかった場合は、鞭杆上下を入れ替えてぼんじりを先端部に固定して同じ作業を繰り返す。

十分に浸透したら布またはキッチンペーパーで表面の脂をよくふき取る。

ここで木端の面取をしておく。


ヒートガンで加熱する場合、1ヶ所を長く加熱していると焦げるので注意すること。
上下を入れ替えてぼんじりをセットしたところ。 面取をした先端部
 
3、クルミオイルで仕上げる。
クルミオイルは粘性が高いものが多くあまり浸透しない。表面処理と手へのなじみを良くするためにアッサリと仕上げる。

鞭杆が常温に戻ったら、クルミオイルを布かティッシュペーパーにしみ込ませて鞭杆の表面に塗り、これもヒートガンで加熱する。
部分的に2〜3回繰り返して全体に行き渡らせる。

最後に布で磨いて出来上がり。
 
 
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