日本の自動二輪製造業が
生き残る良案はあるのか?
①分かりにくい車両区分、法規制の統一
上記のように、製造面での縮小、または完全撤退は「もはや避けられない事実」である。そうなると、日系メーカー、海外メーカーを問わず、日本国内販売の自動二輪は輸入車となる。
また、少子高齢化の進行、平均的労働者の定常的な所得向上が見込めないなか、今後も日本国内自動2輪販売数の低下が続くと見るべきだ。そして、中国製品の品質向上などを受けて、熾烈な価格競争が勃発することも予想される。
そうした「小さくて厳しい市場」になっていく今後の日本市場において、少なくとも必要なのは、自動二輪の車両区分や免許制度などでの法整備である。現在、エンジン搭載型の二輪車は、道路交通法と道路運送車両法のふたつの法律によって車両区分が違う。
道路交通法では、免許の種類と車両区分が一致する。そのため、排気量50cc以下が、原動機付自転車(原付)。同51cc~400ccまでが普通自動2輪車(普通2輪)で、同区分対応の免許(正式には普通自動二輪車免許)は、一般的に中型免許と呼ばれてきた。この区分のなかで、同51cc~125ccの車両について、同免許で小型限定とされている。そして、同400cc以上が大型自動2輪車となる。
対する道路運送車両法では、同50cc以下が第1種原動機付自転車(原付第一種)、同51~125ccが第2種原動機付自転車(原付第2種)、同126~250ccが2輪の軽自動車(軽2輪)、同251cc以上が2輪の小型自動車(小型2輪)と区分されている。二輪車メーカー関係者の多くは、「原付」の一般的な解釈を道路交通法ではなく、道路運送車両法での125ccまでと認識している。
こうした分かりにくい区分は、早急にひとつの規定へと統一されるべきだ。また、車両区分名についても現在社会の一般常識から逸脱しており、適宜な名称への変更が求められる。