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反日デモ、当初は当局承認 ネットで勢い拡大、統制失う

2010年10月22日3時0分

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写真:蘭州と西安での反日デモ参加を呼びかけるインターネット上のビラ。日時や地名などが違うだけで、デモが起きたほかの都市でも同様の呼びかけがあった。「日本で大規模な反中活動が起きている」などとして、メールなどでの転送を求めている蘭州と西安での反日デモ参加を呼びかけるインターネット上のビラ。日時や地名などが違うだけで、デモが起きたほかの都市でも同様の呼びかけがあった。「日本で大規模な反中活動が起きている」などとして、メールなどでの転送を求めている

図:  拡大  

 【北京=峯村健司】中国四川省成都など3都市で起きた16日の反日デモについて、地元政府当局が事前に承認していたことがわかった。中国政府関係者が明らかにした。だが、インターネットなどで広がったデモの勢いは当局の想定を超え、承認していない都市にも飛び火するなど統制を失ったという。

 中国では、デモは事前に地元当局に申請して承認を受ける必要があり、3都市では今回、数日前に承認されていたという。成都でのデモは、申請したのは100人前後の大学生らだったという。

 申請を認めた背景には、デモを通じて日本への不満を表明する狙いがあったという。中国政府は尖閣諸島沖の漁船衝突事件で悪化した日中関係の修復に動き始めていたが、前原誠司外相は尖閣諸島の領有権について「1ミリとも譲る気持ちはない」などと発言。16日には日本で中国大使館を包囲しようという反中デモの計画もあり、中国側には「日本側に改善の姿勢が見られない」と映ったという。

 だが、いったん火がついた反日デモはインターネットや携帯電話を通じて拡大。成都では参加者が1万人以上に膨れあがり、店のガラスを割るなどの破壊行為に発展したため、取り締まりに乗り出した。

 また、17日以降に起きた四川省綿陽や湖北省武漢などのデモは、事前に認められていなかったという。この関係者は「想定外だった」といい、中国メディアは一切報じていない。また、別の中国政府関係者も「ここまで広がるとは思わなかった」と明かしている。

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