四国を中心に活動する歌手・レーモンド松屋(59)がインディーズで発売した「安芸灘の風」が、有線お問い合わせチャートで史上初の4カ月連続1位を獲得し、7月にメジャーデビューを果たした。史上最高齢の61歳でNHK紅白歌合戦初出場を果たした歌手・秋元順子(63)も同チャートで注目されたのがきっかけでブレークし、同様に“アラ還デビュー”を果たしたレーモンドは“第2の秋元”として話題を集めている。新・団塊の星として紅白歌合戦出場を目指す。
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「今の曲、誰の歌ですか?」。1度聴いたら忘れることのできない歌声…レーモンド松屋が有線放送のユーザーからの問い合わせの数を集計した「お問い合わせチャート」をにぎわせ始めたのは今年2月だった。08年11月に地元・愛媛でインディーズ盤として発売したラブソング「安芸灘の風」を首都圏で本格的にプロモーションした途端に話題となった。
同チャートで2月から史上初の4カ月連続1位を獲得すると、音楽関係者の目に留まって7月に同曲でのメジャーデビューが決定。有線をきっかけにした“アラ還デビュー”は、インディーズ盤「マディソン郡の恋」がレーモンド同様に問い合わせチャート1位となり、04年に58歳でデビューした秋元順子と同じ軌跡をたどる。
歌謡曲を思わせる懐かしい音作りが人気の秘けつ。レーモンドは、その後も同チャートで9月までトップ10以内を維持し、四国が主戦場のオジサン歌手としては異例の数字が続いている。
高校時代からバンドを組み、卒業後には東京で音楽学校に通っていたロックおやじ。20歳で地元に戻ってからはツアーコンダクターとして夜の宴会で歌声を磨き、ボーリング場の店員としてBGMの流行歌を聞き込んできた異色の歌手だ。
レーモンドは「なるべく秋元さんみたいになれたらね。紅白は特別な場所だから」と年末を見すえる。NHK紅白に出場すれば、ソロ歌手としては、「孫」を歌い、58歳8カ月で出場した大泉逸郎の白組最年長の初出場記録を塗り替える。すでに日本有線大賞・新人賞の有力候補に挙げられており、紅白出場の可能性も見えてきた。