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【プロ野球】

消えた坂本 消えない苦手意識

2010年10月21日 紙面から

◇クライマックスシリーズ セ・ファイナルS<第1戦>

◆中日5−0巨人

 これは“ナゴヤの呪(のろ)い”なのか。敵地で虎を倒した勢いは鬼門でアッサリと封じ込められた。巨人が4年連続のCSファイナルステージ黒星発進。投手が崩れる。得点も奪えない。坂本欠場の不運で始まった試合は完敗。レギュラーシーズンから続くナゴヤドームの連敗は10に伸びた。

 G党がどよめく。試合前のオーダー発表。坂本の名前が呼ばれない。今季中日戦は打率2割1分の不振とはいえ、“Gの顔”の代役は不在。原監督は「体調不良ならほかの選手の方が戦力として上」と敗因には結びつけなかったが、予期せぬ離脱で構想が崩れたことは間違いない。

 「(首脳陣が)良い音色の笛を吹くだけ。あとは(選手が)踊るか、踊らないか」。セ頂上決戦を前にして、そう言ったのは伊原ヘッドコーチだった。甲子園では指揮官の変幻自在のタクトに選手が応えた。しかし、鬼門は風を変えた。

 決戦を控えた指揮官は「レギュラーシーズンと短期決戦は違う」と強調した。しかし、現実は厳しい。目の前で繰り広げられたのは“いつか見た光景”。9連敗中の1試合平均得点がわずか1・3点の打線はこの日も沈黙。ことごとく好機を逃した。先発東野の奇襲も失敗。指揮官の笛の音は届かなかった。

◆厳しい…残り5戦で4勝

 やはり鬼門は鬼門だった。「(チャンスで)あと1本(が出ない)というところはあるが、しぶとく戦っているのでいいでしょう。チャンスがある限り全力で戦う」。原監督は気持ちの切り替えを強調した。奇跡の条件は5戦4勝。竜が持つ1勝のアドバンテージが巨人の背中に重くのしかかる。 (井上学)

 

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