イチロー外野手(36)が所属するマリナーズのエリク・ウェッジ新監督(42)が19日(日本時間20日)、本拠地のセーフコ・フィールドで就任会見を行った。
元捕手らしい注文だった。「私が選手たちに強調したいのは試合を見ること。自分の出番の時だけでなく、この状況なら自分はどうするかを常に考える。それを心がければいろんなことが見えてくる。賢い選手になりなさい、と」。今季リーグ最多の101敗を喫したチームに個々の意識改革を訴えた。
09年まで7年間、インディアンスを率いて561勝を積み上げた。03年に34歳の若さで再建途中にあったチームの監督に抜てきされ、07年にはプレーオフに導き、最優秀監督賞を受賞。その実績を買われて元ロッテ監督のボビー・バレンタイン氏らを抑えてマ軍18人目(監督代行含む)の指揮官に指名された。
試合への準備と情熱。それらの大切さを熱っぽく語った新監督はチーム最古参で、今季10年連続200安打を達成したイチローにも言及した。「数字を見れば、どんな偉業を成し遂げてきたかが分かる。われわれに必要なのはその堅実さなのです」。
チーム状況に左右されることなく、最善を尽くして結果を出す。建て直しを託された新指揮官は早くもイチローに全幅の信頼を寄せた。
(2010年10月20日)