奄美地方で大雨　２１００人に避難指示や避難勧告

大雨で冠水した道路を、ボートを引きながら警戒に当たる鹿児島県警奄美署員

　秋雨前線の影響で２０日、鹿児島県奄美地方で１時間に１３０ミリを超える局地的な豪雨が降り、同県奄美市や竜郷町、宇検村、大和村の計約１０８０世帯約２１００人に避難指示や避難勧告が出された。土砂崩れなどにより、奄美大島全体で国道や県道２８カ所が通行止めになり、多くの集落が孤立。住宅などへの浸水被害も相次いだ。

　県や県警によると、奄美市住用町のグループホーム「わだつみ苑」に取り残された入所者９人と職員１人を救助したが、うち入所者の女性２人の死亡が確認された。

　ほかに竜郷町の民家の裏山が崩れて２棟が土砂に埋もれ、男性（６１）が軽傷、男性の母親（８８）が行方不明になった。

　奄美市住用町の特別養護老人ホーム「住用の園」でも、入所者や職員計約１００人が施設内に取り残された。

　前線はゆっくりと北上。鹿児島地方気象台によると、２０日午後８時半までの奄美市名瀬の２４時間雨量は６４７ミリで、１９７６年９月１０日に記録した５８１ミリを更新した。

　県によると、１８日夜の降り始めから２０日夜までの総雨量は奄美市内で最大約８７０ミリ、竜郷町でも８０７ミリを記録した。

　奄美市によると、市内の小、中学校４校で生徒計約１４０人が校舎内に避難。住用郵便局では、客と職員ら６～７人が屋上に避難し、消防が救助に向かった。

　県は２０日、陸上自衛隊や海上自衛隊にヘリコプターの出動を打診したが、天候不順のため出動できなかった。

　ＮＴＴ西日本によると、電話交換所の浸水や土砂崩れによる電話ケーブル切断のため、奄美市や瀬戸内町、竜郷町で約９０００回線が不通となった。

（2010年10月21日00時02分  スポーツ報知）

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