長岡輝子さん１０２歳大往生…国内最高齢女優

１０２歳で亡くなった長岡輝子さん

　ＮＨＫ朝ドラ「おしん」などに出演し、国内最高齢女優としても知られる長岡輝子（本名・篠原輝子）さんが、１８日午前０時２２分、老衰のため自宅で死去していたことが２０日、分かった。享年１０２歳。岩手・盛岡市出身。故人の遺志により、葬儀・告別式はこの日午前、近親者のみで行われた。

　東洋英和女学院卒業後、パリに留学し、３１年に帰国後、劇団「テアトルコメディ」を結成。３９年に文学座に入った。女優に加え、三島由紀夫作品などを演出。女性演出家の草分けとしても活躍した。テレビでは８３年の「おしん」で、主人公の奉公先の大奥様役を好演。高視聴率獲得の原動力となった。

　晩年は、故郷の作家・宮沢賢治の童話と詩を岩手の方言で読む朗読会を続けた。その根底には、自らの身についた言葉や暮らしを大切にする表現への思いがあった。

　◆おしん　１９８３年４月から１年間にわたって放送されたＮＨＫの朝ドラ。橋田壽賀子脚本。山形の貧しい農家に生まれたおしんが、さまざまな出来事に遭いながらも耐えて生きる姿を描く。主人公おしんは少女時代を小林、青年～中年期を田中裕子、老年時代を乙羽信子が演じ、平均視聴率５２・６％、最高視聴率６２・９％を記録し、世界数十か国で放送。社会的現象になり「おしんドローム」の言葉も生まれた。