「生き方教わった」小林綾子「おしん」で共演…長岡輝子さん死去

　ＮＨＫ朝ドラ「おしん」などに出演し、国内最高齢女優としても知られる長岡輝子（本名・篠原輝子）さんが、１８日午前０時２２分、老衰のため自宅で死去していたことが２０日、分かった。享年１０２歳。

　長岡さんの代表作「おしん」で共演した女優の小林綾子（３８）は、この日の昼頃、悲報を聞き、本紙の取材に応じた。同作で、小林は主人公・おしんの少女時代を熱演。長岡さんは、周囲がおしんに冷たくあたる中、辛抱する心を買って学問やみだしなみなどを教える、奉公先の米問屋・加賀屋の大奥さま、くにを演じた。

　「おしんが大奥さまに読み書きそろばんを教わったように、私自身も長岡さんから女優としての生き方を教わりました」と、自らの“原点”が長岡さんにあったと振り返る小林。言葉で指導を受けたことはなかったが、長岡さんが演技の中で訴えるものを、吸収していったという。

　「温かなまなざしとすべてを包み込むような包容力でいつも優しくしてくださいました。心に響く深みある山形弁でお話しされる大奥さまが忘れられません。本当に寂しく残念です」

　セリフの話し方も心に強く残っている。「朗読もよく聞きに行ったのですが、深みがあって、温かい感じがする声が大好きでした。抑揚をつけて、感情を込める話し方は、私の先生です。心からご冥福をお祈りします」と小林。長岡さんから学び取ったものを生かし、今後も女優として活躍を続けていくことを誓っていた。