日本一周 その1(2000.8.9〜8.15) 4日目:雄大なサロベツ原野とノシャップ岬に感動 |
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2000年8月12日(土) 快晴 | |||||||||||||
ライダーズ名鑑 | |||||||||||||
6時に起床。さすが北海道!Tシャツ1枚だと朝方は少し肌寒く感じた。天気予報では今日は快晴とのこと。やはりツーリングは天気が良いに限る。今日の予定コースは、オロロンラインを北上、天塩から道道106を通り、稚内へ。 朝食後、次々と旅人達が宿を後にしていく。オーナーがカメラ片手に名鑑用の写真を撮ってくれる。私も撮影してもらい、吉里吉里を後にする。次回来るとき自分の載ったライダーズ名鑑を見るのが今から楽しみだ! |
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オロロンラインV(羽幌〜天塩) | |||||||||||||
今日の日本海は昨日と打って変わり、快晴でとてもきれいだ。R232沿いの所々に牧草地が広がる。途中でロールを発見、これぞ、北海道という風景だ! 9時50分、遠別町の道の駅”富士見”で休憩。ソフトクリームを舐めていると、どこかで見かけてセローが走っていく。永嶋さんだ!向うも私に気付いたらしく手を振りながら通り過ぎていく。彼も今日は稚内と言っていたので、またどこかで会えるだろう。
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シーサイドロード(道道106) | |||||||||||||
天塩(てしお)町でR232は内陸部へ分かれるため、道道106、通称”シーサイドロード”へ。 その名の通り、まさに海沿い走る直線路が延々30q以上も続く。右側は大きな木々はほとんど見られず、低木や草花の湿原で、海側も道路と海面とがそれほど高低差がないため、まさに海沿いの原野を走るといった感じだ。このような風景が地平線まで続いており、まるで日本じゃないようである。 |
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途中道路の左側にダボジーを停車。 ここは北緯45度通過点で、Nの文字をかたどったモニュメントが建っている。ただそれだけなのだが、ここはやはり記念撮影しなければならないだろう。 |
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サロベツ原野・豊富温泉 | |||||||||||||
10時40分、サロベツ原生花園に到着。ここにはレストハウスがあり、そこから1周約1qの木道が整備されていて、エゾカンゾウやコバイケイソウといった花々が咲く湿原を散策できる。花園の見頃は6月〜7月で、残念ながら8月半ばだとかなり散ってしまっていた。 遮るものがない原野は陽射しが眩しく、朝とは打って変わり30℃を越す気温の中、汗だくになりながら散策していると、永嶋さんと再会。二人とも重いカラダを引きずりながら、汗だくの観光となる。 |
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永嶋さんと再び別れ、R40沿いの宮の台展望台へ訪れた後、豊富(とよとみ)町の豊富温泉へ立ち寄る。この温泉は別名”油風呂”といい、大正末期に石油掘削中に天然ガスとともに湧き出てきた温泉である。ふれあいセンター(0162-82-1777)にダボジーを停めると、またしても見覚えのあるセローが。中に入るとやはり永嶋さんだ。 この温泉はナトリウム一塩化物泉で、少し黄濁している。また原油成分が含まれていて、わずかに石油臭があり、入浴すると身体中にびっしりと油膜が付き、身体はテカテカと光っている。この油膜に温泉成分が含まれていて、アトピーなどの皮膚病に良く効くらしい。飲用もでき、飲んでみるとしょっぱいが、石油の味は感じなかった。湯治客の人たちは、油膜を付けたまま浴衣に着替えていたが、我々はツーリング中のため油膜で衣服を汚さぬよう、せっかくの温泉成分をせっせと石鹸で落とす。 永嶋さんは兜沼へ行くらしく、私は名山台展望台へ行くため、三たび別れる。R40を戻り名山台展望台へ立ち寄った後、再びシーサイドロードへ。 |
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スピードチャレンジ | |||||||||||||
地平線までつづくこの道は、数十キロ先まで遮るものがない。まるで滑走路のようで、当然スピードにチャレンジしてみたくなる。同じ様なことを考える奴が多いのか、ネズミ捕りが多い道でもある。しかしネズミ捕りするにも隠れる場所がないため、普通にやっていると違反者にすぐ見つかるからか、空からヘリで取り締まっているらしい。 |
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右・左と上空に何もいないことを確かめた後、アクセルを開いていく。ダボジーを購入してから、一度高速で180qを出したことはあるが、他車が障害となりそれ以上出すことはできなかった。150、160、180qと順調にメーターを刻み、200q突破!。200qを突破するとそれまでと世界が一変する。視界は極度に狭くなり、遠くにあった標識がみるみるうちに近づいてくる。風切り音が変わり、ヘルメットのすぐ脇を風が流れていくのがはっきり分かる。景色を楽しむ余裕などない。 メーター読み240qまでいったところで少し震動を感じる。ダボジーのメーターは320qまで刻まれているが、怖くなりアクセルを緩める。 『ふっ、今日はこれぐらいにしといてやるか!』 もっとも体重3ケタの私では、”ひとりタンデム”状態ということもあり、これ以上は難しいだろうが・・・ 再び巡航速度に戻し、海側を見ると利尻島(利尻富士)がそびえている。その姿はまさに海原に浮かぶ富士山で、雄大である。 レストハウス砂丘林にて遅い昼食を食べた後、稚内を目指す。 |
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最北の町 | |||||||||||||
15時、稚内市に到着。まずは最北の駅JR稚内駅へ。ここで永嶋さんと4度目の再会。彼は明日礼文島に渡るためのフェリーを予約をしにきていた。夕陽を見にノシャップ岬での再会を約束し、再び別行動。 |
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次に稚内港北防波堤ドームへ。昭和11年に完成した延長424m高さ13.2mの半アーチ型の防波堤は、古代ギリシャ建築のエンタシスを思わせる太い円柱と古代ローマ建築を思わせるアーチのコリドール(回廊)が見事で、まさに稚内のシンボルである。ただ改修中で中には入れなかったのが残念。 |
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稚内公園 | |||||||||||||
夕暮れ時にはまだ時間があるので、稚内公園にある開基百年記念塔へ向かう。稚内市を一望できる小高い丘に建つの高さ80mの塔からの眺めはまさに絶景! |
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東はオホーツク海、西は利尻島・礼文島、南はサロベツ原野、北は天気が良い日は遠くサハリン(樺太)まで、360°の大パノラマが眼下に拡がる。塔の底部は北方記念館となっていて、旧樺太の資料などが展示してある。 |
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ノシャップ岬 | |||||||||||||
16時、チョッと早いがノシャップ(野寒布)岬へ。ノシャップとは「岬がアゴのように突き出たところ」「波がくだけるところ」というアイヌ語”ノッ・シャム”が語源だそうだ。最東端のノサップ(納沙布)岬とまぎらわしい。行ってみると、『えっ?これが』というぐらい、岬というより普通の公園みたいなところで、看板があって『あぁ、ここなんだ!』と思ったぐらいだ。今日の日の入りは18時30分頃なので、まだ2時間近くある。 |
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今日の夕食は近くの樺太食堂へ。ここはライダー御用達の食堂で、お目当てはウニ・イクラ・カニといった海鮮物いっぱいの丼。 中に入ると、三色丼三千円、特ウニ丼五千円と『げっ、高い!』と一瞬怯む値段が書かれたメニューが貼ってある。店員さんから「三千円の三色丼がオススメ!五千円の奴はもっと美味しいよ!」と薦められ、清水の舞台から飛び降りる覚悟で三千円の三色丼を注文。 |
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料理が出てくる前に、ステッカーとバンダナがもらえる。ステッカーには”無敵の生ウニ丼”と書かれており、愛らしいネコのマスコットが描かれている。なんでもこのネコはニーコという、実在するこの店の看板猫だそうだ。 そうこうしているうちに、三色丼登場!ウニ・イクラ・ホタテがたっぷりとのった丼を口いっぱいほおばる。イクラがプチッとはじけ、ウニが舌の上でとろける。ホタテも柔らかく三種の味が口の中でハーモニーを奏でる。サービスのカニ汁も美味しい!たまにはこんな贅沢もいいかも。 まだ日没まで1時間あるので、食事の後はひとっ風呂ということで、稚内温泉”童夢(ドーム)”へ行く。平成9年にOPENした新しい施設内には、打たせ湯、薬湯、寝湯、サウナなど10種類の浴槽があり、中でも利尻・礼文島が一望できる露天風呂は最高! 童夢でサッパリしたのち、再びノシャップ岬へ。先ほどより多いライダーや旅人たちが、日没を見に集まっている。永嶋さんもいる、いる。みんな思い思いのスタイルで最果ての地での夕陽を眺めていた。 |
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ライダーハウスみつばちの家ライダー駐車場 | |||||||||||||
夕陽を見終わった後、ここで知り合った沖縄ナンバーのライダーとライダーハウス”みつばちの家ライダー駐車場”(0162-22-1705)へ。 場所は割りとすんなり見つかるが、お世辞にもキレイとはいえない建物である。管理人らしきおじさんが、駐車位置などを指示し、寄って来る。「はい、宿泊費650円ね」(えっ、早速集金かよ?)と思いながらお金を支払う。するとおじさんが「荷物を置いたら、こっちで毛ガニ食え!ドンドン焼いてやっからよ」とのこと。 おじさんは『もっと食え!まだまだあるから』と、毛ガニを焼いていく。一人また一人と同じやりとりをしながら焚き火の輪が広がっていく。みんな無口にカニをしゃぶりついている。さすがにいつも毛ガニが食べられる訳ではないらしい。ライダーハウスに泊まるのは初めてだが、650円で毛ガニ食べ放題付の宿泊とはラッキーで、本当に良い場所を選んだと内心ガッツポーズ。 |
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室内ではおじさんがみんなを集めて記念撮影をしてくれる。おじさんの話では、年々ライダーが減って来ているそうだ。。しかしこんな素敵な宿、そうそうなく、すっかり気にいってしまった。 そのうちめいめいの旅話を披露し合い始める。東京からきた徒歩ダーの女の子は、昨晩一人で無人駅に野宿したらしく、ツワモノだとみんなに感心される。 |
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この日の仲間の中で一番異色だったのは、1月から北海道に沈没している方である。(名前は忘れてしまった。スミマセン) この方フリーのカメラマンらしく、愛車スーパーカブにスパイクタイヤを履き、雪の中をツーリングしたり、先週までは北方領土の択捉島に取材に行っていたらしい。ス、スゴイ!明日からはサハリンへカブで取材へ行くそうだ。上には上がいるんだなと驚きつつも、旅人とのふれあいを満喫した夜だった。 (就寝) |
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この日の走行距離:233q | |||||||||||||
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