<証言者>
記者は先ごろ、7月22日に開催された幹事会に出席した人物と接触することができた。幹事会の一部始終を見届けた人物だ。幹事会の模様と今後の対応について話を聞いた。
―橋本会長は今後どうなるのでしょうか。
証言者 橋本会長と山下副会長は経営責任をとって次回開催される株主総会で解任されるでしょう。
―7月22日に行なわれた幹事会の様子をお聞かせください。
証言者 ナチュラルグループ本社にはもはや事業計画のけの字もありません。今回の件はれい明会が組織として対応できる許容範囲を超えたところの話です。(本音は)債権者という意味合いでナチュラルグループ本社に向き合ってくれ、言いたいことを言ってほしいとの議長の要請がありました。幹事会の後、橋本会長が退席してから1時間半くらい、とめどなく話し合いました。
私たちが知りたいのは、講釈ではなくてヴィンテージ酵素のことです。100億円ほどのお金がどこにいったのかわからなくなっています。理由をたずねても幹部は、「ちょっと待って、その件はまた調査して報告します」と繰り返すだけです。本来ならば、会長自らがきちんと説明責任を果すべきなのに。
―幹事会ではなにか重要な話し合いがありましたか。
証言者 幹事会の話し合いでは、無添加食品販売協同組合以外はすべて外すということが、ナチュラル側から発表されました。ブラジルの工場も、化粧品会社エレンスも、バイオックスもすべて閉めると富田氏が発表しました。しかし、一連の騒動に関する総括は一切ありませんでした。
―幹事会のなかでも意見が割れているというのは本当でしょうか。
証言者 ナチュラルグループ本社は4掛け5掛けで商品を仕入れるわけです。一方、顧客はアニュー店を訪れて商品券でモノを購入していきます。商品券はアニューを経てめぐりめぐってナチュラルグループ本社に戻ってきます。おまけに12%の金利を支払わなければならない。こういうものは、回収してもただの紙くずに過ぎません。165億円を売り上げ、14億円の経常を出しても、紙くずが18億円あるので、4億は赤字になります。
これではキャッシュフローがまわらず、おまけにビンテージ酵素の償還がなされないために元本を返してくれといって後援会が押し寄せる。返済しても返済しても赤字になるという悪循環です。
幹事会社としては、手形の決済(7月末日)までなんとか穏便にしておきたかったのですが、結果的に人の口に戸は立てられません。しかも、幹事会の連中もあちこちで言いたい放題喋り散らしているため、風評に拍車がかかるだけです。
―橋本会長はどのような印象でしたか。
証言者 これだけ大騒ぎになっている割には妙に落ち着いていました。それが却って不思議な印象を与えました。
―今後、ナチュラルグループ本社に何を求めますか。
証言者 第一にヴィンテージ酵素の使途不明金をどうするか、次に無添加食品販売協同組合以外を外してどうするつもりなのか、また本社ビル売却の使途不明金はどうなったのか――などいくつかの項目について質問を投げかけているということを聞いています。
―今後の予定は。
証言者 何度も言うようですが、ヴィンテージ酵素と商品券に関する不明金130億円についてナチュラルグループ本社側できちんとした説明がないかぎり、れい明会としては今後支援は困難と思います。
ヴィンテージ酵素に関しては、アニュー側としてもきちんと整理してほしい。(れい明会が)商品を供給できる体制を整えてくれなければなんともならないでしょう。これらについて8月じゅうに幹事会を開き話し合うということも聞いております。