【追跡ドキュメント】
<NG本社がNET-IBに抗議?>
ナチュラルグループ本社(NG本社)をめぐる動きに関しては、これまでにも約1カ月半にわたりNET-IBでたびたび報じてきた。予想以上に問題が深刻化しており、かつ情報が錯綜しているために、事実確認を兼ねて同社広報室に取材を申し入れたが7月23日付の記事を理由に取材を拒否されるに至った。NET-IB東京支局からも別の記者が取材を申し込んだが同様に拒否された。そのときの広報室の対応は正式な抗議というものではなく、腹いせに取材を拒否するという態度に似ていた。そこでやむなく、NET-IBでは側面取材を進めてきた。
きのう8月11日、NG本社広報室から正式に抗議の申し入れがあった。あいにく記者は留守中だったが、「本日のお電話で抗議の申し入れとさせて頂き、再度、書面にてお送り致します」との伝言が残されていた。その前に、「以前から記事の内容と事実とで、かなり相違があることを申し上げておりますが訂正されないままですので、一旦・・・」とある。しかしこれまでに、文句を付けられたことは1度あったが、訂正の申し入れを記者が受けたことは皆無である。文句を付けられた箇所は、23日付の「橋本会長解任へ」と題する記事である。
7月22日、NG本社は取引先を招いた幹事会において代表取締役会長兼社長の橋本幸雄氏と代表取締役副会長の山下利光氏が退任する旨を発表した。正式には次回開催予定の臨時株主総会で正式に決定するというものだ。それに先立ち、同月26日に取締役会を開催しアニュー中四国(株)と加盟店契約を結んでいる (株)ウェルの会長・富田義久氏に橋本会長の代理執行権を与えるとするもの。
NET-IBでは周辺取材によって、それ以前から同社の役員会議や店長会議などで、「人事刷新を行ない橋本体制にピリオドを打とうという動きが活発化していた」という情報を複数の関係者から入手していた。
そこで上記の見出しとなった。以上がNG本社広報室とのやりとりのすべてだが、事実上の解任であることには間違いないと言われている。その後もNET-IBでは「退任」ではなく「解任」として記事を発信し続けている。
NG本社のホームページ上に「一部報道に対する抗議について」とする一文がきのう11日付で掲げられている。全文を引くと、「当社の代表が交替する等の役員人事や経営方針に関する一部報道がweb上でありましたが、当社から発表したものではなく、またそのような事実はありません。報道元には抗議と削除の申し入れを致しております。2010年8月11日 株式会社ナチュラルグループ本社」とするものである。しかしNET-IBではまだ、正式な削除の申し入れは受けてはいないし、抗議の詳細な内容についても聞いていないことをお断りしておかなければならない。
広報室によれば総会は9月3日に開催されるというが、問題なのは果たしてそれまでにNG本社の体力がもつのか、今もまた新たな被害者を生み出していないか、にある。
NPO法人日本生活向上協会(東京都中央区)という団体がある。公安関係のOBが役員に就いているともされる消費者保護団体だ。消費者庁から検察に上がってきた案件の調査を行なう業務もあると言われている。事業者会員一覧には、電気温水器メーカーや健康食品メーカーに混じってNG本社ならびにアニューの全国組織が加入している。同団体で、NG本社のこれからのあり方が検討されているとの噂もある。NG本社とアニューを切り離した後に、NG本社を潰してしまおうというのである。
そこに出入りしているのが、上記の広報担当、一説にはNG本社のナンバー2ともされる人物「S」だと言われている。もう1人のSなる人物らと別会社を発足しようとの動きもあるという。同社の本部は6月末の整理解雇を経て今では40人弱にまで人員を減らしているというが、アニューグループを含めるとまだ相当数の社員を抱えているはずだ。新会社を発足してわが身の安全を守るよりも、まずはグループ社員の救済が先決だろう。そのためには、ナチュラルグループ本社の闇を白日の下にさらしだすことである。
【田代 宏】
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[COMPANY INFORMATION]
(株)ナチュラルグループ本社
代 表:橋本 幸雄
所在地:東京都港区高輪2-20-23
設 立:1973年7月
資本金:4億9,460万円
年 商:(09/3)165億6,090万円