20歳のみすゞ
童謡詩人・金子みすゞを知っていますか。 限りなくやさしいまなざしで書かれたみすゞの作品が、21世紀の今、多くの人のこころに急速に広がっています。 金子みすゞ(本名テル)は、1903年(明36)4月11日、山口県大津郡仙崎村(現在の長門市仙崎)に生まれました。3歳で父を亡くしますが、母や祖母や兄の心遣いで明るく育ち、瀬戸崎尋常小学校、大津高等女学校を卒業しました。物静かだけれど、好奇心旺盛で読書好きな少女だったそうです。 1923年(大12)、みすゞは下関随一の書店上山文英堂の支店で働き始めます。上山文英堂主人の後妻となった母を頼ってのことでした。仕事のかたわら、ペンネーム「みすゞ」で童謡を書き、投稿。雑誌『童話』等の誌上で西條八十に認められ、若き童謡詩人たちの憧れの星となっていきました。 幸せは長くは続きませんでした。やがて結婚し、一人娘ふさえをもうけますが、夫から詩作を禁じられ、辛い生活ののち離婚。ふさえを引き離そうとする夫に抗い、1930年(昭5)3月10日、26歳の短い生涯を閉じました。 没後、みすゞの作品は埋もれ、生い立ちも知られぬまま、「幻の童謡詩人」と語り継がれるばかりとなりました。しかし、学生時代に「大漁」というただ一編の童謡に魅了された童謡詩人・矢崎節夫の熱意により、1982年(昭57)6月、弟正祐が50年以上も大切に保管していた遺稿集・三冊の手帳が見つかります。 そこには、512編ものみすゞの作品が眠っていました。遺稿集は、翌々年2月『金子みすゞ全集』(JULA出版局)として発行されました。 子どもから大人まで、誰にでも読めるみすゞの詩は、小さなもの、弱いものへのやさしさにあふれています。それは、決して色あせることなく、現代を生きる私たちのこころに浸みとおってきます。 では、ごゆっくり、金子みすゞの世界を味わってください。 写真提供:金子みすゞ著作保存会 金子みすゞの作品および写真の使用については、金子みすゞ著作保存会(窓口・JULA出版局内)の了承を得ていただきますよう、お願い申しあげます。 |
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