まんまと他社回線にタダ乗り ソフトバンクの家庭内基地局
(ダイヤモンドオンライン 2010年10月20日配信掲載) 2010年10月21日(木)配信
一時は、通信業界関係者による“ソフトバンク(SB)包囲網”ができそうな雲行きだったのだが、事態は思わぬ進展を見せている。
ソフトバンクモバイルの孫正義社長は、今年3月28日に開催された“創業30周年記念イベント”で、インフラの増強を公約する「電波改善宣言」を発表した。
そして5月21日より、希望者には「フェムトセル」(家庭内小型基地局)を無償提供する受付を開始した。この、いわばホームアンテナを自宅に設置すれば、自宅で使っているインターネットのブロードバンド回線を、携帯電話用の回線として利用できるようになる。
だが、SB傘下のYahoo! BBのサービスに限定するのならば問題はなかったのだが、受付開始直前に孫社長がツイッターで「すべてのブロードバンドサービスに対応する」と宣言。2008年に総務省が制定したガイドラインにある運用ルール、つまり「各事業者との事前協議」を経ず、いきなり消費者向けにフライング発表してしまったことから大騒動に発展した。
というのも、SBは、アクセスライン(通信サービスを家庭まで届けるための最後の区間)のインフラを持つケーブルテレビやISP(接続会社)などの事業者に仁義を切ることなく、“ユーザーから直接無料で借りる”という論理で受付を先行させたからだった。
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