多くの民主党議員が一度はやってみたいと思う垂涎(すいぜん)のポストは「仕分け人」。厳しい質問で官僚をきりきり舞いさせ、無駄を片っ端から洗い出していく。そんな「正義の味方」イメージは次の選挙で確実にプラスになるとそろばんを弾いているからだ。
「七月の参院選東京選挙区で、事業仕分けのリーダー・蓮舫行政刷新担当相が民主党への逆風をものともせず圧勝し、“仕分け人神話”は不動のものに。二十七日に始まる事業仕分け第三弾では、仕分け人を支援するプロジェクトチームのメンバー募集にさえ八十六人の若手議員が応募したほど」(政治部デスク)
枝野幸男幹事長代理や長妻昭前厚労相ら二十八人の議員仕分け人を合わせると、蓮舫氏は百人を超す民主党議員を率いて晴れの舞台に臨むことになる。さぞかしヤル気満々、気力充実と思いきや、どうもそうではないらしい。
民主党関係者が語る。
「タレント出身らしく、テレビカメラの前ではにこやかな表情を作っていますが、最近は苛立っていることが多い。凡ミスが続き、仕事も思い通りにいってないからです」
最初に味噌をつけたのは尖閣問題。記者会見で「領土問題なので、毅然とした日本国としての立場を冷静に発信するべきだ」とやってしまった。「歴史的にも国際法上も明らかに日本固有の領土であり、領有権問題は存在しない」という政府見解と矛盾する発言は閣内でも問題になり、慌てて撤回した。次は写真問題。百数十万円という高級ブランド品の衣装を身に付け国会内でポーズを取る蓮舫氏の写真がファッション雑誌に載った。ご本人は「議員活動の記録であり、参院事務局にもその旨を申請し許可を得ている」と開き直ったが、「商業目的の写真撮影は認められない。虚偽申請だ」と野党が反発し国会審議は紛糾した。
本業でも国家公務員の給与法改正問題で、公務員制度改革担当相として蓮舫氏が主張した「人事院勧告(今年度は年間給与平均一・五%減)を超える削減」は実現せず、人勧通りの改正案に。
「最大の支持団体・連合の意向を尊重した結果です。メンツを潰された蓮舫氏は不機嫌極まりない様子で『この件の主管は総務相。私に聞かないで』と取材も拒否しているほど」(前出・政治部デスク)
その上、仕分け第三弾も特別会計という難物が対象。失点続きの必殺仕分け人にさばけるか?
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