上小地域の周産期医療の柱となる新上田市産院の建設に向けて、同市は20日、一般市民向けに基本設計を発表した。市民ら約20人が建物の概要や機能、完成予想図などの説明を受けた。新産院は延べ床面積が現在の市産院の約2倍となり、医師だけでなく、助産師を活用した分娩(ぶんべん)を積極的に取り入れていくという。
新市産院は、鉄骨3階建て・延べ床面積約2970平方メートル。病床数は27床で、出産に家族が立ち会える病室を3部屋新設する。立体駐車場も併設し、総事業費13億円を見込む。11年度末に開設の予定で、13年度の分娩数の目標は630件(近年は平均約480件)という。築40年以上が経過している現産院の待合室が狭い▽トイレが男女共用▽エレベーターが無い--などの問題点も改善する。
一方、新市産院への移行後に分娩費用の値上げも検討されている。また新市産院は核家族化などにより家庭での育児が困難な母親を支援する施設「ゆりかご」も併設する。
市産院の村田昌功副院長は「新しい市産院は長野病院の近くに建設され、連携してより良い医療環境を作り出せる」と強調した。【渡辺諒】
毎日新聞 2010年10月21日 地方版