委託を受けた業者以外にアルミ缶などの資源ごみ回収を禁じる京都市の廃棄物処理条例改正案に反対する市民らが20日、京都市役所前広場に集まり条例改正阻止を訴えた。内閣府参与で、路上生活者の支援や貧困問題に取り組んできた湯浅誠さんをはじめ、約350人が参加した。
路上生活者の支援をする市民団体などが開催した。参加者は、条例改正反対を掲げるパネルや横断幕を手に、全員で市役所本庁舎の周りを囲み「空き缶条例を通すな」とシュプレヒコールを上げた。
市役所前広場で開かれた集会には、湯浅さんも参加。「アルミ缶回収は路上生活者が見つけたすき間の仕事。どう住民と共存できるかを考えるのが行政の役割だ」と話した。
京都市は20日、市内の路上生活者182人に実施したアンケート結果の概要を明らかにした。今後の生活について約40%の人が就職を希望する一方、アルミ缶回収などで現状の生活維持を希望する人も約13%いた。
アンケートは14、15日、保健福祉局や環境政策局の職員らが聞き取り、約7割の124人が回答した。市の福祉政策を紹介するビラを配るとともに、今後の生活についての意向やニーズを聞いた。
アルミ缶回収などを続けたい人が1割以上いたが、市は「自立に向けた訓練的な仕事の紹介や情報提供など、現在の制度を利用して、安定した生活をしてもらいたい」としている。【田辺佑介】
毎日新聞 2010年10月21日 地方版