【北京=峯村健司】20日付の中国紙、北京青年報などによると、中国農業省漁政局所属の漁業監視船3隻が14日、漁船保護のため、沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)周辺海域へ向けて出港した。9月の漁船衝突事故の発生直後にも派遣しており、中国当局が監視船を常駐させてパトロールを強化する狙いがあるとみられる。
出港したのは、中国漁政「118号」「202号」(各1千トン)と、江蘇省漁政総隊が所管する500トン級の監視船。農業省漁政指揮センター幹部は出港の際、「釣魚島のパトロールは国家の主権保護のためであり、あらゆる困難を乗り越え、巡航任務を達成する」と語った。
中国当局は衝突事件が発生した後の9月末、尖閣諸島近海に2隻の監視船を派遣。監視船が日本の排他的経済水域(EEZ)を航行したため、海上保安庁の巡視船が日本領海に入らないよう24時間態勢で警戒していた。10月6日に同海域を離れていた。