旧東独の独裁関係者18万人、処罰をめぐる論争(中)

 実際に、かつて東西の区分は、もはやベルリン市民の関心の対象ではないようだった。統一20周年を迎えたドイツ国民は、「過去回想型のイベント」よりも、「未来約束型のイベント」の方に関心を寄せていた。ポツダム広場近くのソニーセンターで行われている「豊かなアイデア、安心の未来」の企画展示場(ドイツ教育省主管、統一20周年記念イベント)を訪れたとき、ドイツ国民の胸の内を読み取ることができた。

 「アイデアと勇気を持ち、東ドイツ再建のために献身する人々」というサブタイトルが付いたこの展示会では、旧東ドイツ地域で人生の勝負をかける開拓者26人を、大きな顔写真と共に紹介しいる。

 「ゲーロ・シュトラウス博士。耳鼻咽喉科の専門医。ロンドン・ボストン・東京から研究所長のオファーを受けたが、それを断り、ライプチヒ(旧東ドイツ地域の都市)でエンジニア30人と共に研究所を立ち上げ、医療ミスを最小限に抑える最先端の手術システムを開発中」

 「ユルゲン・デラー博士。コンピューター工学の研究者。ポツダムで、都市の昔の姿を3D画像で再現、携帯電話を通じて画像を配信し、実際に見て回ることができる世界初の情報システムを研究中」

 統一後、これまでに1兆4000億ユーロ(約160兆円)もの費用を投じたものの、東西の格差がなかなか解消しない統一20年後のドイツの苦しみと、その解決の糸口を象徴的に示していた。

 統一後、より多くの税金を甘受した西ドイツ住民の犠牲によって、東ドイツ地域の基本的な生活の質は画期的に改善された。しかし、旧東ドイツ地域の住民らの不満は依然として根強い。不満の根底には、「相対的剥奪感」が横たわっている。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る