「悩みの種」となった中国産白菜

 18日夜11時、ソウル市松坡区可楽洞の農水産物卸売市場では、政府が中国から輸入した白菜50トン以上(約2万5000株)が競売にかけられるや、参加者たちは「おいしいキムチが作れるだろうか」といぶかしげな表情だった。それでも初めは1株当たり766ウォン(約55円)で落札されていた中国産白菜が、最終競売価格は433ウォン(約31円)だった。

 1株1万ウォン(約723円)以上となった韓国産白菜の影響を受け、関心を集めた中国産白菜は、市場に出てから十日で悩みの種へと転落した。今月9日、大型スーパーで販売され始めたときは、韓国産白菜に比べ安い(1株当たり2300ウォン-2500ウォン〈約166-180円〉)ということもあって、消費者は朝早くから行列を作るほどの人気だった。しかし、今は買い求める消費者もほとんどなく、大型スーパーは中国産白菜を販売していない。

 中国産白菜に対する人気が落ちたのは、白菜価格が日ごとに下がっているためだ。可楽洞の農水産物卸売市場で取引された白菜の1株当たりの卸売価格は、今月18日に3761ウォン(約272円)だったのが、19日には3207ウォン(約231円)となり、1日で15%(554ウォン=約40円)下がった。ある大型スーパーの野菜担当者は、「最近、韓国産のキムジャン(越冬用のキムチの漬け込み)用白菜を一株当たり2000ウォン(約144円)以下で予約販売しているのに、味が劣る中国産白菜を誰が買うだろうか」と話した。

 問題は、中国産白菜が今後さらに100トン(約5万株)程度、韓国に入ってくることだ。価格下落と急激な流通増で、中国産白菜が競売で入札流れとなった場合、むしろ始末が大変になるという状況が起こり得る。農水産物卸売市場の関係者は、「18日以降、卸売市場に中国産白菜が大量に入ってくるだろう。1株当たり少なくとも1000ウォン(約72円)なら元が取れるが、今は元を取るどころか、ただ捨てることになるのではないかと心配だ」と話した。

洪源祥(ホン・ウォンサン)記者

崔源錫(チェ・ウォンソク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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