【コラム】駐ジンバブエ韓国大使館(上)

 アフリカのジンバブエ共和国は「地下資源の宝庫」と呼ばれている国だ。プラチナの埋蔵量は世界第2位で、クロムの生産量も世界トップ3に入る。金・ニッケル・石炭も豊富だ。これまで確認されている埋蔵量を、現在の採掘速度で採掘していっても、金・銀は50年、プラチナは80年尽きないという。ジンバブエの地下資源は、ほかの国に比べ鉱脈が地中の浅い所に形成されており、掘り出すのに掛かる費用も比較的少なくて済む。関連業界では誰もが知っていることだ。だが、多国籍企業はジンバブエの地下資源開発においそれとは参入できなかった。「独裁者」ロバート・ムガベ大統領と、西側諸国の関係がぎくしゃくしているため、様子見していたのだ。

 ところが、そうしている間にジンバブエでは与野党連立政権が樹立され、政治・経済の状況が安定してきた。ヨーロッパの経済制裁が少し緩和されると、世界中から先を争うようにして各企業がジンバブエに集まっている。イギリス系の大手鉱業企業アングロ・アメリカンは5億ドル(約411億円)をプラチナ採鉱に投資した。リオ・ティント(イギリス・オーストラリア)、ターナー&ニューアル(オーストラリア)なども進出している。

 中国はもっと積極的だ。中国の鉄鋼会社・中国中鋼集団公司(シノスチール)は2007年12月、ジンバブエ最大のクロム生産企業ジマスコを買収した。中国系の資源投資・開発会社であるチャイナ・ソナンゴルは昨年11月、ジンバブエ政府と80億ドル(約6575億円)規模の投資協定を締結した。そのうちかなりの額が金・プラチナ開発に投じられる見通しだ。このほかにも、ジンバブエの鉱業に進出しようという中国企業は数多い。ジンバブエ鉱山会議所のクリス・ホコニャ代表が「数を数えるのも不可能」と話すほどだ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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