中国の輿論戦における国際世論への影響は、チャイナリスクを世界に露呈し、南シナ海における領有権問題を再燃させる火種を残した。
2010年9月、中国の大連を訪れたロシアのドミトリー・メドベージェフ大統領は「ロシアと中国は血で結ばれている」と発言、協調して日本に対抗する考えを示した〔AFPBB News〕
一方、尖閣諸島の領土問題化を国際社会に印象づけ、日本との領土問題におけるロシアとの協調路線を引き出した。
心理戦の結果としては、当初相当に強硬であった中国がやや軟化の姿勢を見せた途端に、一部の国内メディアが「中国 収束へ転換」(日本に行動を)の見出しの記事を載せるなど、日本の極めて弱い面が露呈した。
恐らくその後に続く文脈としては、「日本は中国との『友好関係』を第一義的に考え、尖閣諸島の領有権を一時的に棚上げし・・・共に利益を享受し繁栄させよう」となるのであろう。まさに、胡錦濤国家主席が提唱する「和諧世界」の構築を共に目指すかのようだ。
ここでは、「和諧」の意味するところが決して文学的な語感の持つ「Harmonious」なものではなく、多分に政治的で「Hegemonious」なものであるという筆者の独断的所見を付け加えるにとどめる。
懸念されることは、我が国固有の領土と領域への侵略に対し、これを守る気概まで失ってしまうことだ。
法律戦に関しては、むしろ我が国もこの考え方を取り入れるべきである。例えば「国際法および国内法を利用して、国際的な支持を獲得するとともに、我が国の正当な防衛力の行使を可能とする」というような具合である。
第1に、国際法上認められている国家の権利として集団的自衛権が行使できるようにすることである。
第2に、領域の警備を含み非対称な戦いにも応じうるよう国内法を整備することである。
これらの法整備が整ってこそ、「法治国家として法律に則り粛々と対処する」と言い切ることができるのではなかろうか。
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