このパターンを見ると中国漁船の活動は、中国の海洋権益拡大と海洋侵略の先兵となってきたと言える。また、昨年南シナ海において米音響測定艦の前に立ちはだかり妨害したのも中国漁船だったことが思い起こされる。
このたびの尖閣における中国漁船の事件とその後の中国政府の対応を見ると、まさに南シナ海での侵略パターンを髣髴させるものがある。
中国漁船は海洋権益拡大と海洋侵略の先兵であり、今や人民解放軍海軍の民兵組織として機能的に組み込まれ、定期的な軍事訓練まで受けている。
中国は、現在3万隻の商用トロール漁船を保有しており、そのほかにも5万隻の機帆船漁船があると言われている。
これらの漁船は活動範囲にある海に精通しており、漁船を隠れ蓑として緒戦における機雷敷設などにも使われる可能性があると指摘されている。中国漁船は、まさに「海における人民戦争」を支える人民民兵と位置づけられる。
海洋の侵略に対する非対称な戦い
中国の漁船を先兵とした海洋権益の拡大と海洋の侵略に対して、法治国家である我が国は非対称な戦いを強いられることになる。非対称な戦いという点では、まさに「テロとの戦い」と共通するものがある。
2001年の9.11米国における同時多発テロが起こった際、ジョージ・W・ブッシュ米国大統領は、このようなテロ攻撃は「戦争行為(Acts of War)」だと断じた。
さらに自由と民主主義が危機に瀕している情勢だとして、このような新しい脅威に対抗するために「テロとの戦い」(Global War on Terrorism / War on Terror)、すなわち対テロ戦争が開始された。
米軍を主力とした有志連合による「不朽の自由作戦」(Operation Enduring Freedom)である。
その一環としてペルシャ湾およびインド洋では「海上阻止作戦」(MIO : Maritime Interdiction Operations)が行われている。
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