さらに中国は国連・大陸棚限界委員会に対し、東シナ海における中国の大陸棚を沿岸から200マイルを超えた沖縄トラフまで主張している。
早くから海底資源開発に関心を持ってきた中国は、1980年代に入ると東シナ海の中間線付近において継続的に資源探査・試掘を実施し、1992年2月の領海法による法的裏づけを得た後、同年5月石油鉱区を設定して、これを国際石油資本に開放した。
1992年、江沢民は国家目標として、「国家領域の主権」「祖国の統一」および「海洋権益の防衛」を掲げた。
同じく「領海法および接続水域法」を制定し、台湾、南シナ海、東シナ海に点在する島嶼を自国の領土と一方的に規定したのである。
我が国の尖閣諸島や南シナ海の島嶼の名称も自国領域として明記されている。しかも、「領海および接続海域に許可なく進入する外国の軍艦を排除し、追跡する権限を中国軍の艦艇、航空機に付与する」という異例の法律である。
以後、漁船等を動員してたびたび尖閣諸島周辺海域で示威行動を行い、また、過激分子が上陸を強行するなど実力を行使してきた。
2008年12月にも、中国国家海洋局所属の調査船2隻が領海を侵犯したことがあり、警戒中の巡視船の退去勧告にも従わず確信的な行為である。このたびの中国漁船衝突事件も、この延長線上にあり偶発的な事件とは考え難い。
南シナ海における実効支配の先例と中国漁船の実態
2007年、中国は、南シナ海の西沙諸島、中沙諸島および南沙諸島を管轄する行政区分として三沙市を設置した。
同時に海南島の南端三亜に海軍艦艇基地を増強し、南シナ海において定期的に大規模な演習を行うなど南シナ海の実効支配を一層確実なものにしつつある。
1970年代から始まった中国の南シナ海実効支配の経緯を見ると、まず当該海域における中国漁船の活動を既成事実化し、これを支援する名目で武装した漁業監視船等を派遣。
継いで島嶼あるいは洗岩にまで人工建造物を設置して要塞化し、最後は海軍艦艇を展開して周囲を恫喝し、侵略を完結するというパターンである。
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